Kickstarterで顕微鏡を買えばこの印刷サンプルがいまならおまけに付いてくる!
世界最小のインクジェット印刷、このカラー印刷画像は髪の毛の断面ほどしかない
2015年12月16日 14時01分更新
スイス連邦工科大学チューリッヒ校とベンチャー企業Scronaは12月15日、髪の毛の断面サイズにもカラー画像を印刷できる世界最小のインクジェット印刷技術を公開した。
公開されたクマノミ画像が印刷面積は0.0092mm2、縦横サイズは80×115μm(1μm=1マイクロメートル=0.0001mm)しかない。印刷面積自体が人の髪の毛の断面に収まるほどだ。これは新たに開発されたNanoDripと呼ばれる印刷技術によるもの。
具体的な技術は不明ながら、インクジェット技術を発展させた微細ヘッドによるナノ粒子の印刷としている。無論、このサイズではいわゆるインクの発色ではなく、ナノ粒子による量子ドット効果を用いた特定色の反射を利用して色を出している。ナノ粒子はRGBの3色の量子ドット層を持ち、画素ピッチは500ナノメートル、解像度にすると2万5000dpiに相当、発色は24bitという。
これまでにも走査型電子顕微鏡を用いて原子を並べた絵が描かれたことがあり、サイズ的にははるかに大きいのは確かだが、カラー画像を印刷というのはおそらく世界初。ギネスブック登録を申請しているという。
Scronaは同大発のベンチャーであり、現在立ち上がったばかり。同社では資金調達のためクラウドファンディングKickstarterにてスマホとBluetooth接続できるクレジットカード大の顕微鏡「μPeek」を開始している。
拡大率は35倍~350倍で、4つの拡大率それぞれにレンズを搭載。レンズには電動フォーカスも備えるほか、白色光とUV光の光源も内蔵する。さらにKickstarterで資金提供して購入した場合、上記のNanoDrip印刷サンプルが付属する。1セット購入の最低額は105ドル(または70ユーロ)だが、現在注文が埋まっており、購入可能なセットは135ドル(90ユーロ)より。市販も予定しており、159ドルになると予想している。配送予定は2016年6月以降となる。
Scronaでは、NanoDrip印刷を用いることで電子部品の製造や偽造防止印刷、生物試料分析のための装置など多彩な応用が可能としている。