スティーブ・ハリスとオンキヨーの共同開発、中音域のニュアンスの再現にこだわる
至高のメタル向けヘッドフォン、アイアン・メイデン仕様の『ED-PH0N3S』が登場
2015年12月08日 22時12分更新
オンキヨー&パイオニアイノベーションズは12月8日、ヘヴィメタルバンド『IRON MAIDEN』のベーシスト兼共同プロデューサーであるスティーブ・ハリスと共同開発したヘッドフォン『ED-PH0N3S』を1月下旬から販売開始すると発表した。価格は3万9800円。
ED-PH0N3Sは、ロックおよびヘヴィメタルのサウンドに最適なヘッドフォンを求めるスティーブ・ハリス自らが開発に参加。クリアかつ臨場感のある中音域のニュアンスの再現にこだわり、専用設計の40mmチタニウムドライバー、従来より軽く、感度に優れるボイスコイル、デュアルチャンバー機構、銀メッキ端子などを採用する。外観はブラック・ブルーのカラーに、IRON MAIDENのマスコットキャラクターである『エディ』および『MAIDEN AUDIO』のロゴをあしらったデザインとなる。
周波数特性は10Hz~27kHz、インピーダンスは32Ω、感度は105dB、最大入力は800mW。プラグはステレオミニで、標準プラグアダプターが付属。ケーブル長は1.6mで、重量は245g(ケーブル含む)。また、IRON MAIDENの現メンバー6人がそれぞれの求める音を設定したEQを搭載する音楽再生アプリ『Maiden Audio App』を、Apple StoreおよびGoogle Play Storeで配信する。
「スティーブがIRON MAIDENで表現したいことがダイレクトに聴ける」
製品発表会には、ヘヴィメタルに造詣の深い音楽評論家の伊藤政則氏、この日のために結成されたIron Maidenのトリビュートバンド『Death Or Glory』の西野幸一郎氏、丹下眞也氏のほか、英Iron Maiden HoldingsのDave Shack氏が登壇。
伊藤氏は、ヘッドフォンの開発に携わったスティーブ・ハリスの人柄について、「もともとミュージシャンは頑固な人が多いが、その中でもスティーブは音楽的にまったく妥協のない、妥協を知らない人。最初にこのコラボの話を聞いたときは、オンキヨーがスティーブの要求に応えられるのかどうか、非常に興味深い組み合わせだと思った」とコメント。
ED-PH0N3Sについては、「言葉では表現できない、音の解放感や空気感がすごい。今のヘッドフォンは高音域や低音域がすごく強い、いわゆるクラブミュージック向けのものが多く、中音域を複雑に再現するロック向けのヘッドフォンは意外と少ない。IRON MAIDENに代表されるロックバンドの音を、スタジオからダイレクトに耳元に届けるような音にするためにはこうじゃなきゃいけないという、スティーブの要求がすべて通っているような音」と絶賛。「IRON MAIDENの楽曲は24ビットのハイレゾで配信されているが、スティーブはハイレゾ化に際して再度マスタリングを行なっている。このヘッドフォンでハイレゾ音源を聴けば、スティーブが今のIRON MAIDENで表現したいことがダイレクトに聴ける。これはすごいこと」と語った。
カスタムEQが搭載された再生アプリについても「各々のメンバーが作ったEQが入っているから、『今日は(ギターの)エイドリアン・スミスの音でハイレゾ聴こう』とか、『(ボーカルの)ブルース(・ディッキンソン)はどういう音が好みなんだろう』とか、マニアックな新しい楽しみ方ができる。画期的です」とした。
ED-PH0N3Sの音について、西野氏は「ものすごく苦労して作り上げたものだということが伝わってくる」、丹下氏は「自分はドラマーなのでドラムに耳が行くが、シンバルがものすごく綺麗に聴こえる。今叩いたシンバルが何インチかも分かるぐらいで、初めての経験」とそれぞれ印象を述べた。また、この日のために来日したDave Shack氏は「このプロジェクトは非常に難産だった。オンキヨーの方々には、スティーブと我々のわがままを聴いていただいたことに感謝し、敬意を表したい」とコメントした。