動画系アドテク企業のUnrulyは10月13日、日本法人を11月に設立すると発表した。代表取締役にはFacebook Japanの元執行役員の香川晴代氏が就任する。
Unrulyは、動画が含む感情を評価する技術「Unruly ShareRank」で知られる。マーケティング用の動画は、Facebookなど最初に動画がアップロードされるYouTube以外のコミュニティでシェアされることで従来のマスメディアに匹敵する規模の視聴者が得られる。しかし「シェアされる動画」を制作し、広告主が希望する顧客層にリーチし、さらにテレビCMのように視聴回数を事前に見積もるのは難しい。Unruly ShareRankは、性・年代など別に、シェアされる動画の要素を抽出。感情を「周期表」として配列することで、動画の制作段階からシーンの過不足を評価したり、ターゲット層がシェアする要素を含む動画を、RTB(Real-Time Bidding)で買い付けたメディアに配信したりする動画広告プラットフォームだ。
2017年には1000億円を超えると見られる国内の動画広告市場は世界3位の規模。しかし、YouTubeで動画を視聴する割合はアジア太平洋地域ではもっとも低い32%、動画広告のクリック率は世界平均3.6%を上回る7.95%だが、シェア率は世界平均0.23%に対して0.1%にとどまる。市場規模は十分に大きいが、課題も多い日本の動画広告市場にUnrulyが本格進出したことは、動画広告やソーシャルメディアの活用、広告の効果測定などのトレンドが変わるきっかけになるだろう。