テクノロジーはわたしたちの暮らしをより豊かにしてくれる。ただ便利なだけでなく、新たな上質さをもたらすことで。
『tempescope』(以下、テンペスコープ)は、空と同期するガラスケース。天気を知るためのデジタルインテリアだ。価格は199ドルから。クラウドファンディングIndiegogoで9月30日から予約販売が始まっている。日本からも予約できる。
曇り空ならケースの中に雲が浮かぶし、雨が降っていればしとしと濡れる。雷雲が近づけば、テンペスコープの中でも稲光が輝く。好きな天気を選び、たとえばずっと雨を降らせておくこともできるが、雨の日が楽しみになりそうだ。
テンペスコープはiPhoneもしくはAndroidスマートフォンと同期することでインターネットにつながり、世界中の天気をリアルタイムに表示できる。明日の天気はもちろん、指定しておいた場所の空とも同期させられる。
「ここに住めないのなら、せめてこの空を持って帰りたい」
テンペスコープを開発したソフトウェアエンジニアの河本健氏によれば、かつて旅先のサイパンでそう考えたことがアイデアの源になった。
シャンプーボトルからプロトタイプをつくってみたところ、YouTubeやニコニコ動画で注目が集まった。そこから「テンペスコープ・プロジェクト」が始まり、オープンソース・ハードウェアとして開発をつづけ、現在にいたっている。
テンペスコープは、ガジェットフェスタ「Maker Faire Tokyo」で名前を知られた作品でもある。小さな自然を家に飾って、愛でる。ある種とても日本らしい発明品が、世界でどう受け止められるのか今から楽しみだ。
※追記と変更:取材当時の情報から価格を250ドルとしていましたが、予約価格は199ドルからです。価格を下げられたと開発元から連絡を受け、該当箇所を変更しました。