オンラインで世界中のライダーと“ライド”
「Zwift」の大きな特徴のひとつが、オンラインでほかのライダーと一緒に同じコース走行できる点だ。ほかのプレーヤーが視界に入ると走行中の姿が表示され、ちょっとしたレース気分を味わえる。
また、コースの決められた箇所にはチェックポイントが用意され、走行タイムによってそのときの区間賞が更新されていくのもおもしろい。思わずペダルをこぐ脚にも力が入るというものだ。
さらに海外ではプロ選手と一緒にライドできるイベントが実施されているのだが、オンラインでバーチャルなコースを走行できる「Zwift」ならではの楽しみ方と言えるだろう。
「Zwift」には、スマートフォン/タブレット向けのアプリも用意されており、「Zwift」を起動中のPCと連動することで、走行中にスクリーンショットを撮影したり、他プレーヤーに「RIDE ON(「いいね!」的な意味)」などのアクションを送ることも可能だ。
実際に筆者も「Zwift」をプレーしてみたのだが、実際にコースを走っているような感覚を楽しめた。特に見ず知らずのプレーヤーを後ろからスッと追い抜いていくのは、とてもエキサイティングな体験だ。仮想空間とはいえ、意外に充実感がある。
プレー中に感心したのは、ペダルの回転数が同じでもコースの勾配によって速度が変わってくる点だ。ペダルを踏む力は変わらないのだが、登りになると速度が目に見えて落ちてくるため、心なしかペダルが重く感じてくる。
一方、下り坂ではペダルに力を入れなくてもスピードが増し、疾走感を味わえる。プレーしているのは屋内なのだが、屋外と同じ走行感を楽しめるのだ。
ただ、筆者は日頃の運動不足が影響して、プレー開始から5分程度で息が上がってしまった。そのため、今回の記事で使用した「Zwift」のスクリーンショットは、取材にご協力いただいたスポーツバイク専門店「グローブ港北店」渡辺店長に、実際にライドしていただいたものを撮影している。
走行中の状態を数値化し、自分のライドを“見える化”できる
もうひとつ、注目したい「Zwift」の機能が、走行中の自分の状態を具体的な数値で把握できることだろう。
走行中の速度や距離が常時表示されるほか、「パワーメーター」と呼ばれるパーツを利用することでワット数(パワー出力を表わす単位)や、ペダルの回転数チェックも可能。さらに、心拍計と連動させれば、トレーニング中の心拍数のログを取ることもできるのだ。走行中のコンディションを意識できるようになっており、トレーニング効果が高いのはいうまでもない。
渡辺店長によると、常にスピードや回転数、ワット数を把握できるのが楽しいとのこと。トレーニングの成果を“見える化”、可視化できる点も、ロードバイク愛好家にとってはたまらないそうだ。退屈になりがちな屋内トレーニングを、楽しみながら効率よくこなせると語ってくれた。
スポーツバイク専門店「グローブ港北店」
今回取材にご協力いただいたのは、スポーツバイク専門店「グローブ港北店」(神奈川県横浜市港北区高田東1-41-19)。また渡辺店長には、「Zwift」の説明に加えて、実際に「Zwift」で走行していただくなどのモデル役にもなっていただいた。その非常に安定した走りに、取材陣は思わず画面に見入ってしまったほど。
営業時間は午前11時から午後8時(毎週水曜日、第1・第3木曜日、祝祭日は営業)とのことなので、興味がある方は訪れてみるべし。