雑貨メーカーの(株)わがんせは、ソフトクリームメーカーや横から押しても倒れないマグボトルなど、個性的な商品を開発しヒットメーカーとなっている。また、単に商品開発に長けているだけではなく、雑貨商品の卸売りが主力事業であることから、カタログ通販、テレビ、ネット通販など、通販媒体に精通している。わがんせ代表取締役の金田弘克氏に、ヒット商品開発の秘訣や効果的な通販の利用法などを聞いた。
「トレンドを創ること」が理想
わがんせのヒット商品を生み出すセオリーは、下記の2つがあるという。
(1)「トレンドに乗る」
(2)「トレンドを創出する」
金田氏は「理想は『トレンドを創る』ことですが、これは難しく、ヒットしないこともあります。トレンドに乗る場合、同じような商品に今までにない価値を加えればいい。これはある程度確実性があり、直近の売上げ増が見込めます。ただ、寿命は短く、ロングセラーにはなりにくいのが難点」と語る。
「トレンドに乗る」セオリーでヒットしている商品が、水で貼るタイプのタトゥーシール『シャイニンタトゥー』。デザインはブレスレット、ネックレスなどがあり、アクセサリーのような感覚でタトゥーを楽しむことができる。シールタイプのため、簡単に貼り付けることができ、タトゥーは最大1週間持続する。ビーチや夏フェスなどのおしゃれアイテムとして、売れ筋商品になっている。
この商品はハリウッドで流行してから日本の芸能人の間で話題となり、同社がいち早く平行輸入した。現在は人気を集めているが、他社も取扱いを開始しており、低価格競争に巻き込まれない戦略を練っている。
「トレンドを創出する」セオリーでヒット商品になったのが、ソフトクリームメーカーの『Blanche(ブンランシェ)』。生クリーム・砂糖・牛乳を同商品に入れて混ぜ合わせれば、自宅で簡単に本格的なソフトクリームを作ることができる。
金田氏は「これまでアイスクリームメーカーはたくさんあったのですが、ソフトクリームメーカーはなかった。冷却ポッドで冷やし、装置の下に穴を空けてソフトクリームを出すなどのアイディアを基に商品を開発しました。これは1社しか作っていない商品で、自宅で作るソフトクリームの市場を創出することに成功した事例です」と、ヒット商品開発の経緯を明かした。同商品はNHKの情報番組「まちかど情報局」などで紹介されるなど話題を集め、同社の主力商品に成長している。
(山本剛資)
つづく