(株)紀伊國屋書店は21日、村上春樹氏の新刊書『職業としての小説家』((株)スイッチ・パブリッシング発行)の初刷り10万冊のうち9万冊を出版社から直接購入し、自社店舗と取次店を仲介して9月10日から全国の各書店で販売開始すると発表した。残りの1万部が、ネット書店などに割り当てられる見込み。
初刷りの大半を国内書店で販売することで、Amazon.co.jpなどのネット書店に対抗する。今回の取り組みは、同社が4月に大日本印刷(株)と設立した合弁会社(株)出版流通イノベーションジャパンが検討を進めている「買切り・直仕入」というビジネスモデルの一つ。紀伊國屋書店の独占販売ではなく、大手取次店や各書店の協力によって、注目の新刊書を全国のリアル書店に配本する新しいスキームとなる。
『職業としての小説』は、「村上春樹私的講演録」に、大幅な書き下ろし150枚を加えたもので、「作家・村上春樹」のなりたちを解き明かしていく自叙伝的な内容となっている。
