このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

小型でコスパも完成度も最高の音楽用NAS

RockDisk for Audioは、ハイレゾの面倒さを解決する

2015年09月02日 11時00分更新

文● ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

省スペースで音も静か、オーディオ用NASとして素晴らしいでき

 このように簡単に楽曲がためられるRockDisk for Audio。これと組み合わせるネットワークオーディオとして選んだのが「M-CR611」。エントリー向けの機種だが、音質の高さにこだわった機種で、マランツらしい空間表現の緻密さやメリハリの聴いた高解像度な表現、そしてきれいに伸びる高域など単品オーディオと比較しても遜色ない素晴らしい音質の機種となっている。

M-CR611。開発時のリファレンスにしたというCM1S2との組み合わせがおススメ。

 アンプ一体型でスピーカーを追加するだけで使用できる点も魅力。BluetoothやAirPlay、Internet Radio、各種デジタル入力、そして注目が集まっているワイドFMにも対応するなど多彩なソースに対応できる点も魅力だ。ネットワーク、PC接続も含めて、これ1台あるとオーディオ環境が相当に充実するはず。

 また、無線LANも内蔵しており、部屋のレイアウトの都合上、ルーターとの距離が離れている場合でも、RockDisk for Audioはルーターの近くに有線接続、少し離れた場所にスピーカーと一緒に置いたM-CR611は無線接続でと、自由度の高い設置が可能。M-CR611もRockDisk for Audioもともにコンパクトなので、ラックに並べておいても省スペースだ。

背面には豊富な外部接続端子。ネットワーク再生機能も多彩だ。

 RockDisk for Audioとの組み合わせであれば、DSDファイルも楽しめる点もうれしい。メディアサーバー機能を搭載したNASは増えているが、DSD形式に対応している機種は比較的高価になりがち。RockDisk for Audioはこの価格帯のNASとしては珍しくDSD形式に対応しているので、M-CR611のDSD再生機能(最大2.8Mzまで)も有効活用できる。

 M-CR611の特徴のひとつは、S/N感が非常に高い点だが、ファンレス設計で音も静かなRockDiskであればその特徴をスポイルしない。SSDとHDD両方のモデルがあるが、静音性にも配慮したファンレス設計を採用していることもあり、動作音はほとんどなく、試用した1TBモデル「HLS-C1.0HF」に関しても非常にしずかで置いているのを忘れるほど。500GB SSDモデルになればほぼ無音になるのではないだろうか。

 消費電力も平均8Wと低く、これなら常時稼働させていても不満がない。聴きたいときにすぐNASから音楽を転送できる環境が整うだろう。また動作自体もきびきびとしているので、電源を落としたり、入れたりする場合も不満がない。

iPad版のMarantz Hi-Fi Remote

 ちなみに、M-CR611は専用アプリの「Marantz Hi-Fi Remote」を使って、スマホやタブレットから、本体の操作とネットワーク再生の選曲操作ができる。M-CR611のレスポンスがあまり早くなく、若干不安定なところもあるのが、UIは練りこまれており、使いやすいアプリだ。

 このMarantz Hi-Fi Remoteで選曲をする際のフォルダー構造は、メディアサーバー側の機能依存する。ここはほかのDLNA対応プレーヤーと同様なのだが、NAS側の作りこみが重要になる部分だ。

 RockDisk for AudioはTwonky Serverという定評のあるソフトがインストールされており、この点でも万全。互換性や安定性も高いし、メタタグを利用した絞り込みに関しても、一般的なアルバム名や曲名だけでなく、アルバムアーティスト名に沿ったアルバムごとの選択など、細かく設定されている。またRockDisk for AudioではABC順ではなく、曲順に沿った情報表示ができる点も特徴だろう。NASによっては、アルバム単位での絞り込みができても、曲順は正しくならないため、ユーザーがプレイリストを設定しないといけないケースも多い。目立ちにくいが非常に使いやすく感じる部分だ。

 音質の良しあしは、ネットワークプレーヤーが決めるが、その使いやすさを演出する、あるいは静音性含めて阻害しないという意味でNASが果たす役割は重要。その点でもM-CR611とRockDisk for Audioの組み合わせは最高と感じた。

バックアップも快適、貴重なライブラリーを安全に守れる

 ずっと昔に何度も聴いた楽曲。最新の高音質な環境で聴くと当時にはない感動を喚起する。色々な事情で、しばらく音楽、そして本格的なオーディオ機器を使った再生から遠ざかっていたという人の中にも、ハイレゾをきっかけに音楽ライフを再始動しようと考えている人は多いはず。

 ちなみにRockDisk for Audioは、複数台用意することで簡単にバックアップが取れる機能も用意されている。「Remote Link Cloud Sync」というファイルの自動同期機能で、RockDisk for Audioを2台用意し、同期の設定をしておけば、購入した音楽ファイルや取り込んだCDのデータを一定間隔で同じ内容にしてくれる。

Remote Link Cloud Syncは、2台のRockDisk for Audioを同期する機能。故障によるデータの損失を防げる。(画像は製品サイトから)

 片方のNASが故障などしても、もう1台がバックアップ用に機能するのだ。

 ハイレゾ楽曲はCDのように実体がないから、消えてしまった際は大変だ。サービスによって異なるが、たいていは購入した楽曲をダウンロードできる期間は1ヵ月程度に設定されている。そのあとでファイルが破損したら、またお金を出してダウンロードしなおさなければならない。仮に再ダウンロードできても、音楽が好きでファイルをたくさん購入しているので、時間も手間もかかってしまう。

 RockDisk for Audioは、オーディオ用NASとしてもかなりリーズナブルな価格に抑えられており、2.5インチHDD搭載の1TBモデルなら2万円強。これからネットワークオーディオを始めたいという人にとっても手が出しやすい価格だし、バックアップ用にもう1台買うのもそれほど負担にはならない。コンパクトなので2台並べても邪魔にならないだろう。

 ハイレゾ再生はもちろん、外出先でスマホを使った音楽の再生、そして購入した貴重な楽曲データを安全に守るバックアップまで、オーディオライフを快適にできる製品。スマホ中心に簡便に完結する操作性も優れている。これからハイレゾを始めたいと考えているなら、ぜひ検討してほしい製品だ。

■関連サイト

(提供:アイ・オー・データ機器)

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中