デルの外付けGPUドック「ALIENWARE Graphics Amplifier」は、デスクトップ用のビデオカードを装着し、ノートPCのゲーミンググラフィックス性能を強化できるユニークな製品だ。
外出時はノートPC単体でカジュアルなゲームをプレイし、自宅ではデスクトップ向けGPUを装着して高負荷のPCゲームをバリバリ回す――そんな可能性を感じさせてくれる拡張機能だが、実際のところGPUを変えるとどれぐらいの性能アップが見込めるのだろうか。実はあまりピンと来ないという人、意外といるのではないだろうか。
今回は、「ALIENWARE Graphics Amplifier」と対応ノート「ALIENWARE 15」を使用し、実際にいくつかのビデオカードを差し替えてベンチマークを取ってみたので、結果を紹介したい。
ALIENWARE 15は単体でも高性能!
まずはALIENWARE 15単体でのベンチマーク結果を紹介する。
試用機はGPUにGeForce GTX 970Mを採用した「プレミアム」モデル。CPUはCore i7-4710HQ(2.5GHz)、メモリーは8GB、ストレージは1TB HDDを併載するなど、充実のスペックとなっている。
やや大きい15型ゲーミングノートの上位構成ということもあり、もともとの性能もかなり高めだ。PCの総合性能を計測する「PCMark 8」(Home accelerated)のスコアは3400と、ノートPCとしては非常に高い数値が出ている。
グラフィックス性能の計測に特化したベンチマークソフト「3DMark」の結果は、ICE STORMが「80604」、CLOUD GATEが「19978」、SKY DIVERが「17920」、FIRE STRIKEが「6495」となった。DirectX 11相当のFIRE STRIKEでも十分なスコアが出ており、現行のハイエンドクラスのGPUであるGeForce GTX 970Mの性能が存分に発揮された結果と言える。
また、先日公開された「ファイナルファンタジーXIV : 蒼天のイシュガルド」のベンチマークソフトも試してみた。解像度1920×1080ドット、最高品質の設定で、スコアは8554(非常に快適)に。ALIENWARE Graphics Amplifierを接続しなくとも、だいたいのPCゲームは快適にプレイできそうだ。
3つのビデオカードで比較検証!
ここからは実際にALIENWARE Graphics Amplifierを使用し、デスクトップPC用ビデオカードを差し替えてベンチマーク結果の変化をチェックしていく。
用意したビデオカードは「GeForce GTX 970」「Radeon R9 285」「GeForce GTX 650」の3種類。性能アップが見込めるミドルハイクラスのGTX 970はもちろん、ミドルクラスのR9 285、やや世代が古くローエンドのGTX 650がどの程度のスコアを出せるのか、実際に見ていこう。
なお、魅力的な機能を持つALIENWARE Graphics Amplifierだが、どんなPCでも利用できるというわけではないので注意が必要。ノートPCとの接続に専用コネクターを必要とするため、ノートPC側がALIENWARE Graphics Amplifierに対応していなければ利用できないのである。現在対応しているのはALIENWARE 15のほか、ALIENWARE 13、ALIENWARE 17の全3機種だ。