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液晶パネルやスマホ画面に量産されれば一気に値段が下がるかも

スマホ画面にも適用可能な「透明装甲」を米海軍研究所が開発

2015年04月27日 14時01分更新

文● 行正和義/ASCII.jp

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当初8インチを製造し、30インチパネルも製造に成功するなどサイズ的にはテレビの画面にすら応用が効きそうだ

 米海軍研究所(NRL:US Naval Research Laboratory)は4月23日、スマホ画面やカメラレンズに利用できる耐衝撃性・耐擦過性の高い透明素材を開発したと発表した。

粉体を2000度で焼結して制作する。人工宝石と同様の製造方法であり、人工サファイヤはiPhoneのカメラ部カバーにも利用されているのでおなじみ

 アルミン酸マグネシウムの粉を高熱で融かして結晶化した特殊セラミックの一種で、スピネルと呼ばれる鉱物/宝石の人造石にあたる。ガラスよりも硬くてキズに強く、多結晶構造なためヒビが広がって割れることもなく、耐衝撃性能も高いという。従来の防弾ガラス(ガラスと樹脂の多層構造)と置き換えれば、同様の強度で半分程度で済むという。また、赤外線透過率が高いのも特長で、兵器システムのセンサーカメラの保護カバーに適しているという。

キズに強いことに加えて赤外線透過率が高いため、兵器の光学系では重宝しそうだ 

 8インチ大に続いて30インチ大のサイズも製造に成功し、技術的にはスケーラブルなのでさらに大きなサイズも製造可能という。NRLではこの技術を軍事利用だけでなく、商用として利用できるように供給するとしている。NRLによれば、光ファイバーへの応用を初めとして赤外線を扱うレーザーなどの光学部品、防弾ガラスなどの高強度ガラスの代替、さらにはスマホの画面までさまざまな応用が可能としている。

ドーム型の人工スピネル。加工次第でさまざまな形状を作れるのも利用範囲が広そうだ 

 製造プロセス的には高強度ガラス製品に比べればコストが大きいと見られ、すぐに現在の強化ガラスと置き換えるのは難しいかもしれない。とはいえ、透明度や強度に優れる人造サファイヤが光学部品や高級腕時計の文字盤、一部のスマホの保護カバーにすら利用されていることを考えれば、スマホやスマートウォッチの画面パネルなどにも導入される可能性は高いだろう。

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