消費者が商品やサービスを購入する際、インターネットの情報を参考にすることは全年代を通してスタンダードとなっており、特に口コミサイトの影響力は年々高まっています。
インターネット上の情報が購買活動に与える影響について、2015年1月に実施された調査データを確認してみましょう。
————————————————-
インターネットの購買活動に与える影響調査
(株式会社エルテス 2015年2月5日)
————————————————–
【商品購入前のインターネットによる情報収集】
インターネットで情報収集してから商品購入する人は87.5%。そのうち、ネガティブな評判を調べる人は75%。主な調べ方は「口コミサイトのレビュー」や「商品名や会社名の検索」で調べる人が約5割となっている。
【インターネットへのネガティブ書き込み経験】
購入商品についてネガティブな記載を書き込んだことのある消費者は12%。
商品別×性別でみると、男性では「家電/家具」「外食」「旅行(宿泊施設)」で4~5%。女性では「旅行(宿泊施設)」4%、「化粧品」3%程度にとどまっている。
【インターネットのネガティブ記載の影響度】
ネガティブな記載を気にする消費者は91.5%、購入をとりやめるのは79.6%。
特にネガティブ情報に影響を受ける割合は、女性の方が男性よりも高い。
【購入前にインターネット検索で調べる商品】
商品別では、旅行や家電/家具を購入する際にインターネット検索から情報収集する人が最も多い。
インターネット検索の結果ネガティブな記載を見つけた場合、ほとんどの商品で半数以上が購入を見合わせると回答している。
【口コミ情報内容の購入への影響度】
ネガティブな情報の方が購入に影響すると回答した消費者は合計62.5%。一方、ポジティブな情報の方が購入に影響すると回答した消費者は合計31.9%。
【ネガティブ評判の伝播方法】
悪評をインターネットで確認しても他人には伝えない人が6割弱。
他人に伝える人は『口頭で』が3割強、「口コミ」が約1割となっている。
調査結果から、消費者によるインターネットへのネガティブな書き込みは、多い商品でも購入者の5%未満にとどまっており、悪評を人に伝えない人が6割弱と、ネガティブな評判をネット上で拡散する人の割合はさほど高くないことがわかります。
ただし、実際に不満を感じた購入者が少ないのか、感じてはいても書き込みをしていないのかまでは本調査では把握できません。
いずれにせよ、ネガティブな評判を気にする消費者は9割以上で、購入をやめる消費者も8割に上っています。少数の発信力のある人の意見が、多くの消費者の購買行動に大きな影響を与えている状況が読み取れます。
少数の意見であっても、ネット上のネガティブな書き込みのチェックと対策は怠りなく。
◆インターネットの購買活動に与える影響調査
(株式会社エルテス 2015年2月5日)
調査対象 :20代~60代の男女
調査方法 :インターネット調査
(NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションを利用)
調査期間 :2015年1月23日~2015年1月27日
総回答数 :1,083サンプル
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
久保京子
内閣総理大臣及び経済産業大臣事業認定資格 消費生活アドバイザー
株式会社フィデス 代表取締役社長
事業内容:ネット通販向け広告法務、Webユーザビリティ、ユーザー調査
WEBサイト:ネットショップのCSを高める情報発信中!/『ネットショップCS情報局』
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【過去のコラム】
トクホ広告適正基準が改訂、個人の感想・グラフ使用の注意事項は?
1月のネット購入支出額は3万1757円…総務省家計調査
13年家庭用マッサージ器生産・輸入金額、前年比9.1%増
アウトバウンド電話営業、「通信販売」と「電話勧誘販売」の境目とは?
医薬部外品の平成25年の生産金額は、9252億9900万円。対前年比15.6%増加(薬事工業生産動態統計)