冷夏が予想された今夏――。実際には猛暑となり、その影響が各所に表れているが、その1つとして注目されるのはネットスーパーの存在だ。
ネットスーパーは、育児・子育てに追われる主婦をはじめ、買い物に行くための移動手段がないなどの理由で買い物できない、いわゆる買い物難民などに利用者層が拡大している。これに加え、暑いなかで買い物に出かけたり、思い荷物を持ったりするのがつらいといった理由から、ネットスーパーを利用するケースがみられるのだ。
また、MM総研が1月に発表した「個人消費動向に関する市場規模調査」によると、2013年度のEコマース市場は15.9兆円規模で、14年度は前年度比10.7%増の17.6兆円、さらに15年度は同14.2%増の20.1兆円にまで成長するとみている。それだけ、インターネット経由でモノやサービスを購入する消費行動が広がってきている点も、ネットスーパーの市場拡大の背景に挙げられる。
ネットスーパーは、スーパーマーケットをはじめとした実店舗を多店舗展開するチェーンが各店舗からの宅配を基本にネットスーパーへ参入したり、ネットショップが実店舗と組むなどして参入したりといったケースがある。さまざまなネットスーパーがサービス合戦を展開しているなかから、どこを選べばよいか――。その参考になるのがオリコン顧客満足度(CS)ランキングだ。
過去4年以内にネットスーパーを利用したことのある8000人を対象に実施した調査結果が「2014年度 顧客満足度の高いネットスーパーベスト11」にまとめられている。これによると、イトーヨーカドー ネットスーパーが「品揃えの豊富さ」と「配達スタッフの対応」、「注文のしやすさ」、「信頼・知名度」の4項目で第1位。SEIYUドットコム(ネットスーパー便)が「送料・価格」で第1位、イオンネットスーパーが「配達の利便性」で第1位。ダイエー ネットスーパーが「付帯サービス」で第1位。総合ではイトーヨーカドー ネットスーパーが第1位となった。
今夏は、猛暑のなかで消費者の消費行動の変化がじわりと進みそうだ。