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国内の組織内弁護士数が急増、人数の多い2位はヤフー

2014年07月17日 05時11分更新

加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 弁護士事務所を開業する、あるいは弁護士事務所に所属するのとは別に、企業や各種団体等に所属する組織内弁護士(企業内弁護士、社内弁護士、インハウスローヤーとも言う)が近年、増加傾向にある。

 日本組織内弁護士協会が毎年発表する6月時点での組織内弁護士の数は、2003年の88人から10年後の13年には965人(03~04年は3月時点、05年は5月時点)へと10倍以上に増えている。日本弁護士連合会の弁護士名簿に基づくと、13年の登録弁護士総数は3万3999人で、組織内弁護士が2.8%を占めることになる。

 企業でみた場合、これまでは法務部門に優秀なスタッフを抱え、社外弁護士との連携を図り各種法務に対処してきたが、より専門性の高い法務案件が増えると、社内弁護士を確保しようというニーズが高まってくる。また、顧問契約を結ぶ社外弁護士に比べ、社内弁護士のほうが自社のビジネスや社風等により精通しているため、使い勝手が高いとも言える。組織内弁護士の増加傾向にはこうした背景があるようだ。

1985年以降のM&A件数の推移(マールオンライン調べ)
1985年以降のM&A件数の推移(マールオンライン調べ)

 では、より専門性の高い法務案件とは何か。その1つとして挙げられるのはM&A(企業の吸収・合併)だ。M&A情報・データサイト「MARR Online(マールオンライン)」の調査によると、M&Aの件数は80~90年代にかけて増加し、2000年代に入ると急増。2005~07年には2500件を超えた。その後は一時的に落ち込んだものの、11年の1500件超を底に回復。13年は2000件を突破し、再び右肩上がりで推移し始めている。

企業内弁護士を多く抱える企業上位20社、2013年(日本組織内弁護士協会調べ)
企業内弁護士を多く抱える企業上位20社、2013年(日本組織内弁護士協会調べ)

 M&Aに限らず、業務提携やライセンス契約などにも法的知識や法務は大きく関わってくる。特にIT業界では、優れたアプリを開発したスタートアップ企業を買収してそのアプリを自社サービスに取り込む、他社が開発したアプリと自社開発アプリをサービス連携させる、あるいは、自社開発した技術を使い他社で製品化させる、といった動きが多い。

企業内弁護士を多く抱える企業上位20社、2011-12年(日本組織内弁護士協会調べ)
企業内弁護士を多く抱える企業上位20社、2011-12年(日本組織内弁護士協会調べ)

 日本組織内弁護士協会では、企業内弁護士を多く抱える企業上位20社の推移を公表しているが、たとえばIT業界大手のヤフーは、09年に企業内弁護士数が4人で12位タイだったところ、11年に同8人に増えて6位タイとトップ10入りし、翌12年は同10人で4位タイ、13年には同16人で2位にまで順位が上がった。17人でトップの三菱商事に1人差まで迫っている。企業の次なる躍進のカギを企業内弁護士が握っているのかもしれない。

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