このページの本文へ

アマゾンの中古車ネット販売、武器は価格の安さと安心感

2014年06月05日 05時12分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 総合ネット通販サイト「Amazon.co.jp」を運営するアマゾンジャパンは、中古自動車販売のネクステージ(愛知県名古屋市)と協力し、3日から中古車のネット販売を開始した。通販サイト上に中古車販売店や中古車紹介メディアのリンクを設けるといった形ではなく、Amazon.co.jpがネクステージから商品提供を受ける。

Amazon.co.jpの「カー&バイク用品」ストアにある「自動車車体」ページ
Amazon.co.jpの「カー&バイク用品」ストアにある「自動車車体」ページ

 大きな特徴は、Amazon.co.jp専用商品として「ワンクリックで購入できる車」を販売すること。通常の店舗販売ではおもに店舗賃料をはじめ建物設備費、営業人件費、広告宣伝費などが必要だが、Amazon.co.jpでは専用集中工場賃料と設備に限られ、大幅なコスト削減を可能としている。

 こうしたAmazon.co.jpならではのローコストオペレーションにより、販売価格を安く抑えることができたが、Amazon.co.jpの「カー&バイク用品」ストアでは、33万、44万、55万円という低価格での3つの固定価格とした点も注目される。

 価格に表れているのは安さだけではない。たとえば従来の中古車探しでは、車両本体価格以外の諸費用や販売会社ごとに異なる保証項目、品質・状態などが不透明で、購入希望者にとっては、最終的な総額がいくらなのか、安心して購入できるのか、といった難しい判断に迫られる。しかし、Amazon.co.jpでは税金や自賠責、その他の諸費用込みの総額表示により透明化。また、納車から1週間以内であれば返品にも対応する。

 ほかにも、Amazon.co.jpへの掲載前に整備を実施。エンジンオイルとオイルエレメント、バッテリー、エアコン&ファンベルト、エアフィルター、ワイパー、ブレーキパッド、タイヤの主要な消耗品8項目はすべて新品に交換。全車が第三者機関の鑑定を受け、1年間の保証付きとなる。すべてはユーザーに対して安心感を与える取り組みだ。

注文から納車までの流れ
注文から納車までの流れ

 注文から納車までの流れは、まず、Amazon.co.jpに掲載されている中古車から購入希望車が決まると、ユーザーはワンクリックで注文と決済が可能。決済後はユーザーの手元に、自動車登録等に関する書類が送られ、ユーザーは必要書類等もそろえて返送。書類がそろうとユーザーの住所の管轄陸運局でナンバー登録を済ませ、ユーザーのもとに納車される。東海・関東・関西については自宅への配送が無料となる。

 価格の安さと安心感を武器に中古車のネット販売に乗り出したアマゾン。オンラインショッピングで気軽に中古車を購入できる時代が本格化するか、今後の展開から目が離せられない。

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中