パナソニックは3月28日、無線規格が異なる国や用途でも対応でき、3回線まで同時通信できる小型・省電力のセンサーネットワーク用無線通信技術を開発したと発表した。
これは機器同士が自律的にデータを送受信する「M2M(Machine to Machine)センサーネットワーク」向けの無線通信技術。無線通信は国や用途によって異なる方式/標準/規格が利用されており、それらに対応するためにはこれまで個別のLSIが必要だったが、使用される周波や通信規格をハードウェアで判定する機能を開発し、1つのLSIで対応できるようにした。
さらに、同時に複数の無線通信を行う際にもこれまでは個別にLSIを用意していたが、通信に行われる周波数成分を抽出することによって1つのLSIで最大3回線まで同時通信を可能としている。これにより周波数や規格を気にすることなく機器や設備同士を安定に無線接続することが可能となる。
無線LSIのチップ面積を削減して従来のシングルモード用無線受信部と同等サイズに抑えたほか、各チップや通信機器に必要な電力をダイナミックに制御し、必要な電圧・電力を供給するというしくみを取り入れるなど大幅に消費電力を進めている。スマートメーターなどで使われる30秒に1回の通信ならば電池交換なしで約20年駆動が可能な無線通信モジュールが実現できるという。