アイポッドなどの携帯音楽プレーヤーの利用が拡大して以来、オンライン上での楽曲販売が増えつつある音楽業界――スマホの普及もあいまって、その流れはますます加速しているように感じられる。しかし、クロス・マーケティングの「音楽鑑賞に関する調査」では意外な結果がみられた。
関東1都3県に居住する15~59歳の男女を対象にした同調査によると、音楽鑑賞に費やすひと月の金額は、「1000円未満」が40%で最も多く、次いで「1000円~3000円未満」が25%、「全くお金は使わない」が21%という結果になった。そこで、音楽の購入状況を尋ねると「CDを購入する」が68%で、「有料の音楽配信サービスを利用して購入する」が25%。CD購入者が7割近くに及ぶのは、意外な事実なのか、それとも想定内の結果なのか、判断に迷うところだ。
また、音楽の購入状況で「購入はしない」という回答が26%にのぼったことから、その理由を尋ねると、「YouTubeなどの動画視聴サイトで鑑賞できるから」(48%)や「レンタルをするから」(37%)といったものが挙がり、なかには「無料の音楽配信サービスを利用しているから」(12%)という理由もみられた。
なお、音楽を鑑賞する場所についての質問では、10~20代の若年層は「電車・バス」や「歩きながら」が多い一方、30代以上では「車の中」での鑑賞が目立つ。若い世代ほど、音楽配信サービスや動画視聴サイトなどを利用し、携帯音楽プレーヤーやスマホを使って「音楽を携帯する」傾向が強いと言える。