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ウィキペディアの求人パンフ「Editing Wikipedia」とは

2014年01月15日 05時39分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 オンライン百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」を運営するウィキメディア(Wikimedia)財団は、米国時間14日に公式ブログで「Editing Wikipedia, a print guide for new contributors」と題する記事を更新した。これは、ウィキペディアを編集する新たなボランティアの参加を呼びかける印刷ガイド、いわば、ウィキペディアの求人パンフレットを紹介する記事だ。

 そもそもウィキペディアとは、だれもが自由に無料で閲覧できる百科事典サイト。2013年4月1日現在で286の言語版が存在し、世界で6番目(米アレクサが2013年11月に集計した、訪問者とページビューから算出したトラフィックによる順位)に閲覧されているサイトとしてグーグルやヤフー、フェイスブックなどと肩を並べる。

 これほどの人気を支えているのは、ウィキペディアに掲載されている記事のクオリティの高さにある。グーグルやアイフォーンの音声検索機能でなにかを調べると、その結果の多くはウィキペディアの記事を基にしているほどだ。この記事を編集しているのも、自由に参加してくる一般のユーザーたちで、財団ではボランティア編集者と呼んでいる。ウィキペディアの記事は、「人間が生み出したあらゆる知の集積を編さんする」というコンセプトのもと、ボランティア編集者らが1つひとつを書き加えていった知の結晶とも言える。

 しかし、アスキークラウド2月号(13年12月24日発売)のカバーストーリー「落ち目のウィキペディア」でまとめているように、ウィキペディアは現役編集者の人材不足に陥っている。そこに関わるコミュニティーの官僚主義的な体質により、新たなボランティア編集者が入りにくくなり、たとえば英語版の現役編集者数は07年のピーク時の5万1000人以上から13年夏には3万1000人にまで減っているというのだ。

 冒頭のガイドは「Editing Wikipedia―A guide to improving content on the online ensyclopedia」というタイトルで、訳すと「ウィキペディアの編集―オンライン百科事典のコンテンツ改善のガイド」となる。財団ではボランティア編集者の獲得に向けてさまざまな改善策に努めているが、このガイドの発行もまさにその一環というわけだ。

ウィキペディアを編集する新たなボランティアの参加を呼びかける印刷ガイドの表紙

ウィキペディアを編集する新たなボランティアの参加を呼びかける印刷ガイドの表紙

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■ウィキペディア公式ブログ

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