充実した録画ライフに必須のアイテムと言えば、HDDレコーダー。しかし、たくさんの番組を録画すれば、HDDはすぐにいっぱいになる。大切な録画データはHDDにため込まず、やはりBDに焼いてアーカイブしたいもの。ここではHDDに録画した番組を保存するBlu-ray Disc™の基礎知識を改めて確認しておきたい。
疑問1 そもそもBDって何ですか?
回答1 BDは「Blu-ray Disc™」の略。CDやDVDと同じ直径12cmの光ディスクを使用しながら、DVD10枚分(片面2層のBD-R DL利用で約50GB)の大容量を誇る。
ハイビジョン放送は高精細なぶん、データ量も膨大。解像度1440×1080ドットの地上デジタル放送のビットレートは最大17Mbps。解像度1920×1080ドットのBSデジタル放送では最大24Mbps。1時間程度の番組でも7~10GB程度の容量になってしまう。規格上の制約はとりあえず考慮にいれず、容量だけを考えても、記録型DVDは片面1層で約4.7GB、片面2層でも約8.5GBと足りない。
現在市場に流通している記録型のBlu-ray Disc™にはいくつかの種類があるが、容量で言えば片面1層で25GB。片面2層ではその倍の50GBと余裕がある。シングルレイヤー(片面1層)のメディアでも、放送された番組をそのまま再圧縮なしに記録した場合、2時間以上の保存が可能になる。
疑問2 記録型のBlu-ray Disc™には、どんな種類があるの?
回答2 容量に関しては回答1で書いたように、市場で一般的に流通しているのは、25GB(片面1層)と50GB(片面2層)の2種類。25GBのメディアをシングルレイヤー(SL)、50GBのメディアをデュアルレイヤー(DL)のメディアと呼ぶこともある。
現在市場に流通しているBDメディア | ||||
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メディアの種類 | BD-R | BD-RE | ||
1回のみ書き込み | 書き換え可 | |||
記録層 | 片面1層 | 片面2層 | 片面1層 | 片面2層 |
記録容量 | 25GB | 50GB | 25GB | 50GB |
また記録が1度しかできない「BD-R」と、一度書いたデータを書き換えられる「BD-RE」の2種類がある。対応する書き込み速度に関しては、片面1層のBD-Rの場合4~6倍速、BD-REや片面2層のBD-Rの場合は1~2倍速が売れ筋。書き込み速度は6倍速メディアの場合216Mbps、4倍速メディアの場合144Mbps。2倍速メディアの場合72Mbps。
書き込みにかかる時間は以下の式で分かる。
番組の時間×(ビットレート/書き込み速度)
つまりBSデジタル放送の映画(24Mbps)を2時間ぶん、2倍速メディアに書きこむとすると、2時間÷(24Mbps/72Mbps)=120分÷3=約40分ほどかかる計算だ。
4倍速であればその1/2の約20分、6倍速であれば1/3の約13分というのが一応の目安だ。地上デジタル放送2時間分であれば、さらに短くそれぞれ約28分、約14分、約9分となる。ただし実際には、放送された番組は常に一定のビットレートというわけではないし(24Mbps/17Mbpsという数字はあくまでも最大値)、様々な処理の影響で書き込み時間は変化する。
疑問3 普通のBD-RとBD-R DL、どちらを買うのがお得?
回答3 かつては1枚数千円と高価だったBD-R DLだが、現在は1枚当たり300円を大きく切るようになり、200円台前半でも入手できるようになってきている(ブランドやパッケージによる)。BD-Rドラマやアニメといった番組を1クールまとめて保存するといった用途では、50GBと容量に余裕があるBD-R DLが有利だが、回答2でも触れたように、現状では容量いっぱいまで書きこむためには相応の時間がかかる点も考慮に入れたい。
一方BD-Rは6倍速のメディアは価格にして半額程度、一方で書き込み速度は3倍高速。4倍速でいいのであればさらに価格は安くなる。必要な枚数は増えてしまうが、片面1層のBD-Rにも十分メリットはある。
Blu-ray Disc™はなぜDVDよりたくさん記録できる?
BDメディアの厚みはDVDと同じ1.2㎜。しかしDVDの記録層までの距離が0.6mmなのに対して、BDは0.1mmと非常に近い。また書き込みに使用する青紫色レーザーの波長は405nmと、DVDで使用する赤色レーザーよりも短く、レンズの開口数も大きい。
これらの要因によって、高い記録密度での(=大容量の)記録が可能だ。書き込みをする光の点の面積はDVDの約1/5。高開口数のレンズで光をギューっと絞り込むので、DVDと同じ直径12cmでも、高密度に記録できるのだ。
第2回に続く