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iPhone OS 4の「iAd」はモバイル広告を変えるか?

2010年04月16日 15時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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Art & Mobile 深津貴之氏

ToyCamera」や「QuadCamera」など、カメラアプリを中心とした作品を発表するインタラクティブデザイナー。個人で国内カメラアプリのトップシェアの一角を占める。QuadCameraは特に海外での評価も高く、The New York TimesやTime、Hotwiredといったオンラインメディアや多くのブログでも紹介された。自身のサイトはこちら

 スゴいというかは別として、注目は広告プラットフォームの「iAd」と、ソーシャルゲームのプラットフォーム「Game Center」の趨勢でしょうか。

 アップルはその囲い込み戦略の代償として、クロスプラットフォームや他社デバイスとの連携へ柔軟性を捨てています。ソーシャルゲームや、局所的なSNSが今後のネットの主流となっていく場合、アップルの提供するソーシャルシステムの「デバイスをまたぐことができない」という点がiPhoneの致命的な弱点になるか否か──そこが興味深いポイントです。

 抗アップル勢としてはクラウド側に基盤を作ることです。そこにはアップルが直接干渉することのできない。クラウド上に相互に乗り合い可能なソーシャルなプラットフォームを作り、コンテンツの基盤を移すことこそが、アップルに対する唯一の対抗策だと思います。

 iPhone以外のデバイスと連携できないクラウドと、iPhoneとも(あるいはiPhone以外のすべてのデバイスと)連携できるクラウドの対決となった場合、ここがアップルの急所になるかもしれません。一方でアップルはここを防ぐために、iTunesをクラウド化することで、自社製品内での完璧な連携を目指そうとするでしょう。

 広告やソーシャルコンテンツにおいては、ユーザーの母数が重要な要素である以上、ひとつの端末に限られない展開は圧倒的な強みになるはずです。ここを起点に競合プレイヤーがどのようにAppleの一元支配を切り崩して行くか、あるいはアップルが守りきるかに注目しています。

Game Centerを使うと、友達をゲームに招待したり、対戦相手を見つけたり、ゲームの実績を残す(アチーブメント)といった機能が提供される。ゲーマーにはXbox LIVEのようなものといったほうが分かりやすいかもしれない


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