アップルは9日、iPhone/iPod touch向けOSの最新版となる「iPhone OS 4」を発表し、開発者向けにβバージョンをリリースした。正式版は今年の夏に、iPad向けのiPhone OS 4は今年秋に提供する予定だ。この発表会の様子はアップルのウェブサイトで視聴できる(関連リンク)。
バージョン4では、1500以上の新しいAPIを含むSDKのアップデートと、100以上の新機能が含まれるという。
例えば、ユーザーからの要望の多かった複数のアプリを同時に使えるマルチタスクをサポートした。例えば、今までVoIP(インターネットを使った音声通話)のアプリは起動していなければ通話を受けられなかったが、バージョン4ではiPhoneがスリープ状態でも呼び出しを受けられるようになる。ただし、マルチタスクは対応機種が限られており、iPhone 3GSか第3世代iPod touch(32GBまたは64GBの2009年後期モデル)でしか動作しない。
アプリを整理するためのフォルダーも用意した。アプリのアイコンを別のアプリのアイコンに重ねると、新しいフォルダーが作られるという仕組みを採用している。その際のフォルダー名は、App Storeにおけるアプリのカテゴリー名が付けられる(変更も可能)。これにより、iPhone上で2000以上のアプリを整理して、検索を使わずにアクセスすることが可能になった。
メールソフトの「Mail」では、統合インボックスを採用し、自分のメールアカウントにあるメッセージをひとつの受信箱にまとめて表示できるようになった。もちろんアカウント別での表示も可能。Mailでは、同じ話題のメッセージをひとまとめに表示してくれるスレッド機能も追加した。
そのほか、アップルのモバイル広告プラットフォーム「iAd」が加わった。今までアプリ上に表示される広告はサードパーティーが提供していたが、これをアップルが提供することになる。アップルは広告の販売とサービスを行ない、デベロッパー側は標準的な60%の収益をiAdから受け取る。
