米Yahoo!が2008年7月から推進してきた、オープン検索プラットフォーム「Yahoo! Search BOSS」について、同社のSearch BOSS Team のAshim Chhabra氏はMicrosoftとの検索事業提携後も存続させる意向を明らかにした。
Yahoo! Search BOSS (Build your Own Search Service)は、クローリングやランキングシステムなどYahoo!が持つ検索技術をサードパーティーに開放し、自由に利用可能にしたオープンプラットフォーム。開発者は莫大な投資コストがかかる検索インフラストラクチャをYSTに代替することで、新しいアイデアを持つ検索サービスを容易に開発することが可能になる。現在、hakiaやOneRiotなど多くのベンチャー企業が活用し、新しい検索サービスを提供している。Yahoo!はこうした企業がリリースした検索エンジンに検索連動型広告を掲載することで、収益化を図る狙いだった。
しかし2009年7月にMicrosoftとの10年間に及ぶ検索事業提携が発表され。将来が危ぶまれていた。Yahoo!の検索技術はMicrosoftのBingにリプレースされることが決定したためだ。
Yahoo! Search BOSSや検索結果の情報量を増やすSearchMonkeyなどYahoo! Search独自の検索技術についてMicrosoft Senior Vice PresidentのYusuf Mehdi氏はインタビューなどで、Search BOSSや SearchMonkeyはBingに統合する考えがあることを表明していたが、デベロッパーに対しては何のアナウンスもされていなかった。
今回、Yahoo! Groupsに "BOSS Update on Microsoft-Yahoo! Agreement"と題された投稿には、提携合意後もYahoo!はMicrosoft Bingの自然検索結果に Yahoo!のサービスやコンテンツを統合した検索結果を表示する、BOSSを継続提供することは可能であると説明。ただ、具体的なサービスの形態については定まっておらず、米司法当局による承認後に最終的にBOSSの将来について決定し、明らかにしていくという。