カノープス(株)は2日、ビデオコンバーター新製品の発表会および今月15日から幕張メッセで開催される放送機器関連の展示会“2006年国際放送機器展(Inter BEE 2006)”への出展内容説明を東京・銀座の同社ビデオサロンで開催した。
SD時代最後にして究極の映像コンバーター
『ADVC-3000』 |
『ADVC-3000』はアナログ/デジタルの変換を行なう業務向けビデオコンバーター。ADVCシリーズのフラッグシップモデルにして、「SD時代の最後の、究極のコンバーター」だという。“アナログコンポーネント”“SD-SDI”“DV”の信号の相互変換が可能で、独自のデジタルビデオ処理により、高画質な映像を出力できるという。また、日本電気(株)と共同開発した、DVコーデック内蔵のIEEE 1394リンクLSIを搭載し、IEEE 1394のコントロールコマンドをRS-422(シリアル通信規格)コマンドに変換することも可能となっている。発売は12月中旬で、価格は62万7900円となる。
ハイビジョン映像に対応した映像コンバーター
『ADVC-HDM1』 |
『ADVC-HDM1』は、ハイビジョン映像信号である“HD-SDI”と“HDV”(MPEG2-HD)の相互変換を行なうビデオコンバーター。1080iまたは720pのエンコード/デコードが可能で、1080iでは1920×1080ドットのフルHD解像度にも対応する。ビットレート設定は11Mbpsから40Mbpsまでの8通りが、本体ディスプスイッチにより切り替えられる。発売は2007年1月中旬で、価格は99万7500円となっている。
Inter BEEへはTHOMSONグループと共同出展
Inter BEEでのブースのイメージ |
Inter BEEへの出展は、カノープスの親会社である仏トムソン(THOMSON)社のグループ企業である、(株)グラスバレージャパン(仏Grass Valley社の日本法人)との初めての共同出展を実施。グラスバレーは動画管理サーバーなど、主に放送/配信業務に関わるプロ向け機器を手がける会社となる。
『EDIUS Pro 4.1』の画面 |
Inter BEEでは、ハイビジョン映像の制作から配信までのトータルソリューションをメインに据え、カノープスの業務向け映像編集ソフト“EDIUS Pro”の未発表バーションとなる“4.1”などを公開する。4.1では
- “XDCAM HD”や“P2”といった次世代テープレスメディアのサポート
- グラスバレーサーバーとのファイルレベルでの連携
- ネットワーク制作環境の強化
などの機能が新たに追加されるという。特にXDCAM HDでは、映像の取り込みにおいて、まず最初にXMLで既出されたメタデータを即座に読み込み、EDIUSのタイムラインに反映。そこのプロキシーデータ(プレビュー用などのサイズの小さい映像)とハイレゾデータ(本映像)をバックグラウンドで読み込む。これにより、ビデオクリップの長さなどの情報が即座に取得でき、迅速に編集作業が行なえるという。
EDIUS Pro 4ユーザーは近日中に無償で4.1へのバーションアップが行なえるが、EDIUS Pro 4.1としてのパッケージ販売は現在のところ未定だという。
会場で実演予定の、“K2”サーバーシステムと“EDIUS”とのシステム連携の図 |
ブースではEDIUS Pro 4.1の新機能となる、グラスバレーの“K2”サーバーシステムとの連携デモや、自動番組送出システムとの連携、カノープスのノンリニア編集ワークステーション“REXCEED(レクシード)”とグラスバレーのディスクレコーダー“TURBO”を使用したHDV編集/送出などのデモを行なう予定。
また、8月20日まで東京藝術大学で開催されていた“ルーヴル美術館展”に導入された3D映像表示システムや、東映(株)への映画館向けハイビジョンコンテンツ同期再生システム、放送局で導入されているハイビジョン映像即時送出システムなどの導入事例も紹介する。ブースの場所はホール5で、ソニーブースの隣。