(株)アズジェントは19日、都内で記者発表会を開催し、Gbitクラスのスループットを持ち、ブレード型モジュール構造を採用した、米Crossbeam Systems社のセキュリティーアプライアンス『X40S(エックスフォーティーエス)』を7月に発売すると発表した。価格は最小構成で1180万円から。
『X40S』 |
X40Sは、ISPやASPなどでの使用に耐えうるパフォーマンス、可用性を確保したセキュリティーアプライアンス製品。大規模なネットワークシステムにおいては、高スループット確保のため複数のファイアーウォールを冗長構成として使用することが多い。このような場合に、一般的には(複数の)ファイアーウォールの前後にロードバランサーを配置する“サンドウィッチ構成”をとることになる。しかし、ファイアーウォールを2台設置する場合はロードバランサーは2台×2の4台が必要で、コストがかかるだけでなくネットワーク構成が複雑になるという問題があったという。
アズジェント代表取締役社長の杉本隆洋氏 |
これに対し、X40Sは筐体内のスロットに“APM(Application Processing Module)”と呼ぶブレード型モジュールを追加(最大10枚)することでスループットを最大8Gbpsまで向上できる。また同様のブレード型モジュール“CPM(Control Processing Module)”によって複数のAPM間のロードバランシングが可能で、ロードバランサーを別途必要としない。X40Sは1台でファイアーウォール機能とロードバランシング機能を持つため、サンドウィッチ構成と比較して、設置時間は約6分の1、設定は約4分の1、価格も同クラスの製品の約2分の1で済むという。なお、ファイアーウォール機能は、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(株)の『VPN-1/FireWall-1』などのソフトウェアを使用する。X40SはLinuxで動作しており、基本的にはLinux対応のセキュリティーアプリケーションが動作する。APMごとに異なるアプリケーションを動作させることもできるという。
X40Sはブレード型モジュールの追加によって柔軟な構成が可能 |
X40Sはインターフェースやモジュール、電源、冷却ファンなどはすべて多重化(ホットスワップ可)できるほか、1つのAPMが故障したときにほかのAPMにダイナミックに処理を移すといった動作も可能で、99.999%の稼働率が確保できるとしている。
JavaベースのX40S管理ツールの画面 |
サイズは幅444.5(19インチラックサイズ)×奥行き444.5×高さ761mmで、重さは最大86kg。価格はAPM×1、CPM×1、NPM(Network Processing Module)×1、電源ユニット×2という最小構成で1180万円から。ブレード型モジュールの単体価格は380~500万円となっている。