ジャストシステムの日本語入力システム「ATOK」(Mac版)が、辞書の強化や変換エンジンのチューニングを行い、さらにインターネット機能を搭載して「ATOK14」にバージョンアップした。新機能と向上したエンジンを中心に紹介する。
3月9日に発売された「ATOK14 for Mac OS」は、Mac OS 8.6/9版と、Mac OS X版(4月20日発売予定)の2バージョンが用意されている。変換エンジンや辞書内容は同じだが、新機能のいくつかはOS Xでなければ使用できないなどの違いがある。 まずは、2バージョンで共通する機能から見ていくとしよう。
変換エンジンの向上と辞書の強化
日本語入力システムのバージョンアップともなれば、やはり気になるのが変換エンジン部分だが、今回はテスト用文書を大幅に追加してATOK13の変換エンジンの弱点部を洗い出し、接頭語・接尾語解析の徹底化、自動学習の副作用低減が行われた。これらによってさらに、長い文章での正しい日本語変換がパワーアップしている。
辞書は標準辞書の下に専門辞書があり、F2キー(もしくはControl+2)で専門辞書から変換&確定した単語は標準辞書にも登録される仕組み。 |
専門用語辞書には「コンピュータ・インターネット用語辞典」「経済・ビジネス用語辞書」「トレンド辞書2001年版」「人名辞書」の4つを搭載。これによって、最近のカタカナ語や流行語まで広くカバーしている。
加えて、標準辞書にも「チョーXX」のような長音混じりの言葉や、「イケてる」などのカタカナ混じりの口語特有の用語を追加し、話し言葉への対応も強化している。
カタカナ語を英語に変換してくれる「カタカナ語英語辞書」を強化。「らいと」と入力して「Control+4」で変換すると、同音語の意味まで表示される。 |
このほか、入力中のら抜け表現などを指摘してくれる“おせっかい”機能も「JUST MEDDLER4」にバージョンアップし、「お召し上がりになられる」などの二重敬語や、「見させてください」などの余計な「さ」を入れてしまったさ入れ表現、「じゅんぷうまんぽ」と入力すると「じゅんぷうまんぱん」と表示して読みの誤りを指摘してくれるようになり、まさに正しい日本語のお手本的存在にまでなったといえるだろう。
インターネット機能が充実
ATOK14からは、インターネットを利用したサービス「ATOK Direct」「ATOK Cannel」「ATOK Sync」を標準で搭載した。これらの機能については、Windows版とまったく同じなのでWindows版のレビューを参照していただきたい(Windows版「ATOK14」のレビュー)。 ここでは、Mac OS用のATOKSync画面を紹介しよう。
ATOK Syncを起動すると表れる画面。事前にインターネット接続をしておく。 |
「OK」ボタンを押すと、この画面が表示される。「設定」ボタンをクリックすると、一番下の画面へ行く。 |
「実行」ボタンをクリックすると辞書の同期が始まり、サーバ上の辞書をダウンロードした後、HDD内辞書とのマージ、サーバへのアップロードとなる。 |
ATOK Syncの設定画面。ここでジャストシステムから送られてきたATOK Sync用IDとパスワードや、同期にするか、新規に辞書を登録するかを設定できる。 |