コストパフォーマンスに長けた将棋ソフトを定期的にリリースしているアンバランスから、またまた将棋ソフトが発売される。その名も「お父さんのための強い将棋 弐」。PC用将棋ソフトは1万円前後が相場だが、お父さんのための強い将棋は4980円。それでいて、1万円クラスの将棋ソフトを相手に五分五分の棋力を備える、まさしく“財布にあまりゆとりのないお父さん”のための将棋ソフトなのだ。2月2日発売予定。
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コンピュータと対局中の画面。操作は左クリックで駒を掴んで、動かしたい場所で再度クリックするだけ。ドラッグ&ドロップでも操作可能だが、1回ずつのクリックでもOKなので、マウスになれないお父さんも安心。 |
ところで、なぜ五分五分の棋力というのがわかるのかというと、同社で各社の将棋ソフトを用いて実際に対戦を行い、その結果を公式サイトに掲載しているからだ。それによると、「AI将棋2001」(アイフォー)とは5勝5敗、「東大将棋」(毎日コミュニケーションズ)とは4勝6敗、「銀星将棋2」(シージーエス)とは5勝5敗と、いずれも価格差2倍以上の将棋ソフトを相手にいい勝負をしている。
もちろん、対戦相手の3本の将棋ソフトは、強さのみが売りではなく、音声による駒操作に対応していたり、駒の種類(グラフィックス)が豊富だったり、詰め将棋モードが付属していたり、音声によるチャットに対応していたりと、将棋ファンを唸らせてくれる追加機能がたくさん盛り込まれているから、トータルで引き分けとは言い難い。その点で、「お父さんのための強い将棋 弐」は、そのタイトルが示すとおり、会社の昼休みとか、休日のちょっと暇なときに、ひとりでシンプルな対コンピュータ戦を楽しむのにぴったりの将棋ソフトなのだ。
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あまりにも完膚無きまでに叩きつぶされたので、その証拠に(笑)。10手ぐらい前はほぼ互角のはずだったんだけど。 |
コンピュータの思考レベルは5段階。私のような下手の横好きは、LV1からひとつずつ段階を上げて勝負を挑んでいくのが、将棋ソフトと長くつきあうコツ。試しにLV1とやってみたところ、焦らずゆっくりやれば必ず勝てるレベル、ではなかった。強い将棋ソフトというのは、言い換えれば中盤以降の手が洗練されているということだから、LV1といえども寄せが早い早い。10手に1手ぐらい効果のない手を打つCPUだからといって舐めてかかっていたら、一気に詰まれてしまった。「なにー!」と思ってもう1局打ってみたら、見事に連敗しました。「くそー!」と思ってまた打ったらさらに返り討ちにされて、結果3連敗。私自身、あまり熱心な将棋ソフトファンではないから、これは完全に推測だが、実はLV2.5から始まって0.5刻みで強くなる将棋ソフトなのでは? という印象がした。あまりにも初級者な人にはちとツライかもしれない、という感じである。
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対人戦の様子。ゲームはウィンドウ表示のみなので、相手が思考中にはアプリケーションを切り替えてほかの作業ができる。 |
さて、本作は、対コンピュータ戦のみならず、DirectPlayによる通信対戦や、棋譜の保存読み込み、印刷といった将棋ソフトにおける最低限の機能は漏れなく搭載されている。また、大学将棋大会Aクラスの棋譜30局が収録されているので、これをじっくり研究して将棋の腕を養うことも可能だ。なお、通信対戦時に文字入力によるチャットにも対応しているが、打ちながらコメントすることができない(盤の操作に戻るには、一度チャットウィンドウを閉じる必要がある)ため、少し使いにくかった。インストール後はCD-ROMが不要になるので、ノートPCにも最適。昼休みの使い方にお悩みの将棋お父さんにオススメの1本である。
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棋譜印刷機能。途中までの棋譜を印刷することもできる。 |
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棋面印刷機能。小さい画面ではわかりにくいが、後手側の駒には少しぼかしが入っていて、一目で先手、後手の駒の位置が把握できる。これは親切な機能だ。 |
開発元 |
(株)アンバランス |
発売元 |
開発元に同じ |
問い合わせ先 |
03-5283-3625 |
価格 |
4980円(2月2日発売予定) |
対応OS |
Windows 95/98/Me |
CPU |
MMX Pentium-166MHz以上(PentiumII-300MHz以上を推奨) |
メモリ |
32MB以上(48MB以上を推奨) |
ビデオ |
640×480ドット/256色以上 |
HDD |
20MB以上 |
CD-ROM |
2倍速以上(起動時不要) |
マルチプレイ |
2人による通信対戦(DirectPlay対応) |