1日(現地時間)より、“LinuxWorld Conference & Expo”が、米サンノゼのSan
Jose Convention Centerを舞台に開催されている。ここでは、大小約70社の企業やユーザーグループが出展している展示会の模様をお伝えする。
展示会場となったホールは、突き当たり奥の端から端まで見渡せる程度のスペース。決して広いとは言いがたいが、大小さまざまなブースがあり、常に人の流れが絶えない盛況ぶりであった。
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コンパックも最大のコマを確保して出展 |
大手企業の出展も目立つ
会場をまわっていると、米コンパック・コンピュータ社、米アイ・ビー・エム社、米ヒューレットパッカード社、米サン・マイクロシステムズ社など、大手企業のスペースが目立つ。いずれも、今回のLinuxWorldの開催に合わせてLinuxへの取り組みについて発表しており、Linuxが企業のビジネスの手段として認識されつつあることがうかがえる。![]() |
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IBMブースでは、PowerPCを搭載する『RS/6000』でLinuxがデモされた |
IBMのブースでは、PowerPCを搭載した『RS/6000』上でLinuxを作動させるデモを実施していた。同社では2日(現地時間)、Linuxへの取り組みについて同コンベンションセンター内で正式に記者発表している。それによれば、米Red
Hat Software社、米Caldera Systems社、米パシフィック ハイテック社および、米SuSE
Holding AGware社といった複数のディストリビューションメーカーと協力しLinuxをサポートする。さらに、今後『Netfinity』や『RS/6000』などハードウェアの面でもLinuxをサポートするという。
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2日(現地時間)に実施されたIBMの記者会見 |
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会見会場には、各ディストリビューションベンダーのトップも勢揃い。左からRed Hatのボブ・ヤング社長、SuSEのスコット・マクニール社長、パシフィック ハイテックのクリフ・ミラー社長 |
商業ベースの企業とボランティアベースのユーザーグループが共存
Linuxはコミュニティーの間で成長してきたこともあって、ユーザーグループの存在が無視できない。今回のイベントでは、この辺りのバランスもきちんと取られていた。例えば、“Greenhouse”というプロジェクトブースは、Linuxでビジネスを展開しようとする小さな企業を集めたブース。1社では出展スペースを確保できないベンチャーにもチャンスが与えられていた。また、ユーザーグループでは、Debian GNU/Linuxや、GNUプロジェクトなどが出展。GNUのブースの裏側では、なぜかビリヤードの台が用意されていた。スタッフは、オリジナルのTシャツやバッジなどの販売のかたわら、ゲームを楽しんでおり、仕事に飽きた学生が遊び出す学園祭のような雰囲気も感じられた。![]() |
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Debian GNU/Linuxのブース。DebianをMacintoshで作動させていた |
会場を回っていて感じたのが、来場者が気軽にブースのスタッフに質問できるアットホームな雰囲気であること。来場者も、ただ見学するためだけに足を運ぶ“お客さん”というよりは、出展者とともにこのイベントに参加しているという感じが強い。会場のあちこちに、スタッフと話し込む人の輪ができていた。
![]() | ブースにはペンギンは欠かせない? |
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全体的に見て参考出展はそれほどなく、すでに発表されているものの展示だけという企業がほとんどであった。逆にそれだけにどのメーカーもきちんとした対応を用意しており、Linuxに本腰を入れ始めたことを示している。今後の展開が期待される。
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来場者の中には長髪を後ろで束ね、ショルダーバッグを肩に下げているいわゆる“ハッカー風”な人も多く見られた |
