マーキュリーインタラクティブジャパン(株)は23日、記者会見を行ない、企業などのネットワークサーバーに負荷をかけてアプリケーションがエラーなしに動作するかをテストするソフトウェア『LoadRunnner
5』の日本語版を発表した。同社は米マーキュリーインタラクティブ社の日本法人。
『LoadRunnner 5』の操作画面 |
『LoadRunnner 5』は、企業のイントラネットなどが実際にトランザクション負荷がかかった際に正常に機能するかどうかをテストするためのソフトウェア。ネットワークの本格稼動前に、サーバーに仮想クライアントからアクセスさせることで、ネットワークを稼動させたときと同様の負荷をサーバーとアプリケーションに与えることができる。これにより、実稼動時に障害となり得る問題点の事前の検出を図るというもの。
システムは、仮想クライアントとしてネットワークサーバーにアクセスする“仮想ユーザー”と、それを制御して、ネットワークの状況を診断する“コントローラ”で構成される。“仮想ユーザー”は、ユーザーのネットワーク規模に応じて数10クライアントから1万クライアントまで設定できる。“コントローラ”はネットワークの負荷を制御するほか、クライアントとサーバー間のデータのやり取りを分析し、どの程度の負荷で障害が発生するかを分析する。
ユーザーが任意で、特定の障害が発生したと仮定して、その結果サーバーやネットワークにどんな影響が出るかを確認することも可能。設定はウィザード形式で行なえる。
同社では、このシステムを2月下旬に出荷開始する予定で、初年度で200セットの販売目標を掲げている。
同社セールスディレクターの岡崎俊二氏は、「電子商取引では、5分間サーバーがダウンしただけで1000万円以上の損失が出てしまう場合もある。『LoadRunnner
5』で、リスクの少ないネットワーク構築をサポートしたい」と語る。当面は現在約100社ある旧バージョンユーザーのアップグレード販売を目標にするが、新バージョン発売を機に、新規ユーザーも100社程度獲得したいという。
『LoadRunnner 5』は対応プラットフォームがWindows NT Server、UNIXで、サポートするデータベースはOracle。データベースへのアクセスインターフェースはODBC、WinSocketに対応する。システムの販売価格は、導入時のコンサルティングを含め、50クライアント規模のネットワークに導入する場合で、約560万円となる。
なお、オプションでネットワークサーバーをリモートで監視し、障害が発生した際に、それがハードウェアによるものか、OSによるものか、アプリケーションによるものかを分析するソフト“サーバモニター”と、ネットワーク内のルーター、Hubなどのハードウェア上でトラブルがあった際にその機器を切断するソフト“ネットワーク遅延ソフト”が提供される。価格はそれぞれ37万5000円、75万円。