『Dreamweaver』と『CyberStudio』。『Flash』と『SVG』。アドビシステムズ(株)とマクロメディア(株)の対決姿勢がますます濃厚だ。MACWORLD
Expo/Tokyo '99において、もっと注目されているソフトウェア関連のブースといえるアドビシステムズ(株)とマクロメディア(株)のブースは、ちょうど向かい会う形で出展され、両社、真っ向勝負のイメージを強めている。
マイクロメディアは自社技術が業界標準であることを強調
マクロメディアは、いち早くウェブコンテンツ関連に進んでおり、1月29日、Webデザインツールである『Macromedia
Dreamweaver 2』(Dreamweaver 2)をリリースしたばかりだが、ブースにおいてもDreamweaver
2を中心に『Macromedia Fireworks J』『Macromedia Flash 3J』『Macromedia FreeHand
8J』といったウェブコンテンツ関連製品のデモンストレーションを積極的に行なっている。マクロメディアのブース |
また本日、『Macromedia Director 7 Shockwave Internet Studio』(以下Director 7)の発表を行なった。Director
7は12万8000円で3月29日から販売が開始される。Directorはこれまで、CD-ROMのオーサリングツールとして業界で不動の地位を築いてきたが、今回のバージョンからHTML、HTTP、HTTPSといったインターネット標準のプロトコルをサポートしたことで、大きくウェブ寄りの製品としての道を歩み出すことになった。
マクロメディアブースでは、Flashに関連したさまざまなウェブ関連製品を紹介しているが、Director
7の発表会上において、同社のプロダクトマーケティングマネージャーである坂口城治氏は、「もちろんSVGには対応していきますが、SVGが事実上の標準となるには、まだ時間がかかると思います。それまでは私どもはすでに標準であるFlashを押していこうと考えています」と改めて自社技術がデファクトスタンダードであることを強調した。
アドビはビデオ編集からムービー制作までをカバー
Flashを強く推進しよういうマクロメディアとは対照的に、アドビシステムズは、SVG(Scalable
Vector Graphics)をブースにおいて紹介している。SVGは、2月11日にWorld
Wide Web Consortium(W3C)よりドラフトが公開されたばかりの次世代のウェブにおけるベクターグラフィックスの標準フォーマットである。アドビシステムズのブース |
アドビシステムズは昨年、『Adobe ImageReady』『Adobe ImageStyler』というウェブ・グラフィックス関連製品を次々に投入しており、さらに年明け早々に発表となったGoLive社の買収によって加わった『GoLive
CyberStudio』と役者が揃った感がある。この『GoLive CyberStudio』および『Adobe
ImageStyler』とをSVGを絡めて、ブースにおけるデモンストレーションで紹介している。
アップルのブースでは、アドビ製品をはじめ、グラフィックソフトを積極的に紹介していた |
アドビシステムズのブースでは主にビジネス関連をターゲットにした製品をブースで展開していたが、そのすぐ隣に設置された“Movie
Worldパビリオン”において「デジタルビデオをはじめよう」をキャッチフレーズにビデオ編集からムービー制作までを紹介している。この分野もアドビが力を入れているところであり、先だって『Adobe
Premire』『Adobe Aftereffects』といった関連製品のアップグレードを行なったばかりだ。
アドビシステムズが協賛している“Movie Worldパビリオン” |
いよいよウェブパブリッシング関連へ注力してきているマクロメディア。これまでの紙のパブリッシングの分野も睨みつつウェブパブリッシングに強力に進出し始めたアドビシステムズ。こうした状況を見るとこの両社がウェブコンテンツ制作の分野において雌雄を決する時期が来るのか、大変興味深い。
マクロメディアまでも押さえたソフトウェア・トゥー
(株)ソフトウェア・トゥーでは、アドビシステムズによる買収で話題となったGoLive
CyberStudioをはじめ、アドビ製品、クォーク製品、およびその周辺ソフトの展示を積極的に行なっている。これらに加え、マクロメディア製品も紹介されていた。すでにアドビとクォーク製品の代理店として、パブリッシング/グラフィックの分野においてノウハウを蓄積してきた同社だが、Director
7の発表会場においてマクロメディア(株)との提携が発表されたとおり、マクロメディア全製品の販売を行うこととなった。ソフトウェア・トゥーのブース |