日本ヒューレット・パッカード(株)は、新経営体制についての記者会見を行なった。同社の会計年度の始まりである11月1日付けで、代表取締役社長の甲谷勝人(こうたにかつと)氏が代表取締役会長に、同じく代表取締役専務の寺澤正雄(てらざわまさお)氏が代表取締役社長に就任する。
寺澤氏は、日本HP第1期入社の生え抜き。今後は、同氏の統括してきたコンピューター事業統括部を廃止して、企業向け、およびコンシューマー向けの事業統括部とともに、社長直属の組織として時代の変化に早急に対応できる仕組みを作る。併せて、計測機、コンピューターという同社の2本柱に加え、ソフトウェアやコンサルティングといった総合的なソリューションにも力を注いでいきたいと語った。挨拶の最後に同氏は、21世紀に向け社会貢献を行ない、価値ある会社として認知されるようになりたいと抱負を示した。
この度、代表取締役会長に就任することが決まった甲谷勝人(こうたにかつと)氏(左)と、同じく代表取締役社長に就任する寺澤正雄(てらざわまさお)氏(右) |
なお、記者会見での主な質疑応答は以下の通り。
----交代時期の意味は?
甲谷「社長に就任した時から、21世紀になる手前でバトンタッチしたいと考えており、それを視野に入れた組織の確立。人材育成を図ってきたつもりだ。寺澤氏の年令は、私が社長に就任した時の年令とほぼ同じ。若い世代の力に期待している」
----会長と社長の役割分担と、今後の事業展開に関しては?
寺澤「一番伸ばさなければならないビジネスに注力していきたい。コンピューター関連事業はソリューションの時代に入ってきている。計画の立案やその調整は私が行なう。今回、事業統括部を社長直属にしたのもそのため。在任中に(日本HPが)5000億円企業になることを目標としたい」
----コンピュータービジネスで重点を置くのは?
寺澤「われわれは、ソフトウェアビジネスに注力していく。HPのみならず、SolarisやAIXのプラットフォームにもソフトを提供していくつもりだ。ビジネスの伸びという点では、早い段階で全面展開へ持っていきたい。(企業向けコンピューターでは一応の成果を上げているから、)今後は特にプリンターやコンピューターの事業を盛り上げていく。また、ERP、SCM、ワン・トゥー・ワン・マーケティングのソリューションをデリバリーするビジネスにも注力したい」