公正取引委員会は、プレイステーションの独占禁止法違反問題の第2回審判を開催した。
柴田俊文審判長が開廷を告げると、公正取引委員会の小畑徳彦審査官らが準備書面を朗読した。まず、プレイステーション用ハード、ソフトの販売に関して、SCEが、小売業者、卸売業者に対し、値引き販売禁止、中古品の取り扱い禁止、横流し禁止を要求した事実を指摘。その中では、SCEの営業担当者の実名や、その人物の「値引き販売をするところには商品をいれない」、「配送には事故がつきものだから商品が届かないこともある」といった具体的なコメントも紹介された。
そして、焦点の中古ソフトの取り扱い禁止問題に関しては、「消費者のニーズの強い中古ソフトの取り扱いを、SCEのような有力な事業者が禁ずることは、SCEが小売業者の事業活動を不当に拘束する条件をつけていることになり、独占禁止法第19条の第13項で定める拘束条件付取引に当たる」と述べた。さらに、「ソフトの著作権者は、ソフト製作会社であり、SCEではない。また、SCEがソフト製作会社から著作権行使の委任を受けている事実もない。したがって、SCEが小売業者に対し、中古品ソフトの取り扱い禁止するのは、著作権の権利行使にもとづくものではない」と主張した。
一方、被審人であるSCEの代理人を務める内田晴康弁護士は、「事実関係や法令の適用に関しては、基本的に承服しがたい」とした上で、中古ソフトの取り扱い禁止問題に関しては、「公正取引委員会の主張は、著作権法上違法とみなされる、不規則かつ異例な取引である中古ソフト流通をひとつの市場ととらえており、違法な取引からなる市場を容認、助長することになる」と反論した。
今回、公取側が主張した具体的事実に対するSCE側の反論は、7月29日開催予定の第3回審判で行なわれる。(報道局 佐藤和彦)
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