日本ヒューレット・パッカード(株)は11日と12日の2日間、都内品川の新高輪プリンスホテルで“HP
WORLD 2000”を開催している。テーマは“E-servicesの可能性を体感する2日間”。“E-service”とはインターネットを使って新しいサービスを提供するという同社が提唱するコンセプト。基調講演のほかは、すべてカンファレンス形式で行なわれ、ASPやSCM、ECなどを始めとするE-serviceの実例や導入事例など2日間で40を超えるセッションが設けられ、多くの参加者でにぎわった。
基調講演には同社の寺澤社長のほか、米国から各分野の事業部長らが顔を揃え、多くの聴衆が同社のE-service戦略に耳を傾けていた |
会場には今年後半の発売が予定されているインテルと同社が共同開発した64bitプロセッサー『Itanium』を搭載したサーバーを展示。同社製のHP-UXとOracleデータベースエンジンを走らせるデモを行なっていた |
イベントの開催にあわせていくつかの記者発表も行なわれた。まず同社は11日に、インターネットを利用した新規事業を支援する“e-garage”プログラムを発表した。これはベンチャー企業や既存企業が取り組むインターネット事業に対して、資金面だけでなく技術面やマーケティング面でも支援するもの。立ち上げから支援する“HP
Garage”と既存サービスに対するさまざまな支援を行なう“Partner
Garage”、そして特にモバイルや携帯電話系の事業に特化した“Mobile
Garage”の3種類がある。プログラムの開始は6月1日から。同社はこれにより自社製品・サービスのシェア向上を狙う。同時に同社はベンチャー支援のために投資会社ソフトバンク・インベンストメントの“インターネット・テクノロジー・ファンド”への出資も発表している。また同じく11日からは同社が開発したウェブ上での学習システム“E-Learning-On-Tap”を使って、E-serviceについて学べるウェブ上の学習コースを開設した。URLはhttp://ext8.jpn.hp.com/grp2/e-services/news/e_learn1.html。受講は無料だ。受講者にはハンドヘルドPCが当たる特典もある。
新製品のエンタープライズ・サーバーA400とA500を発表するBusiness Critical Computing Vice President兼General ManagerのJanice Chaffin氏 |
2Uラックサイズの薄型サーバA400/A500の外観。低価格かつ高性能サーバーは各社の激戦区。そこへ投入されるモデルだ。コードネームは“ピラニア”と呼ばれていた。 |
同社の『エンタープライズ・サーバ Aクラス』の新製品、『HP9000
エンタープライズ・サーバ モデルA400』と『同モデルA500』も発表された。A400は440MHzのPA-8500プロセッサを搭載、最大2GBのメモリをサポートする。一方A500は440MHzのPA-8500か550MHzのPA-8600を2個搭載、最大8GBのメモリーをサポートする。それぞれ64bitPCIスロットを2個と4個搭載し、ともに2Uサイズの薄型サーバーながら拡張性も確保されている。OSはともにHP-UX
11を搭載。価格はA400が78万4000円、A500が199万円からとなっている。