【Spring Internet World 2000レポート Vol.7】アップル展示会場レポート――Windows 2000対応のDarwin Streaming Serverを今年5月に出荷
2000年04月11日 00時00分更新
3日からの5日間(現地時間)、米ロサンゼルスのLA Convention Centerにおいて、Penton
Media社主催のイベント“Spring Internet World 2000”が開催された。同イベントのコーポレーションスポンサーである米アップルコンピュータは、5日、同イベントの開催にあわせて『Drawin
1.0』と『QuickTime 4.1.1』を出荷した。また、『Darwin Streaming Server』のアップデートなどが発表されている。本稿では、アップルの上記製品や、展示ブースの様子などをお伝えする。
アップルの展示ブース。“Macworld Expo”での展示に匹敵するほど広大なスペースを占有していた |
Drawin 1.0を出荷
アップルは、今年夏出荷予定の新オペレーションシステム『MacOS X』のコアである『Drawin 1.0』を出荷した。PowerPCおよびG3搭載のマッキントッシュで動作する。また、Intelプラットフォームでコンパイルできる『Drawin 1.0』のソースコードも出荷された。これらは、アップルのサイトから無料でダウンロード可能。アップルのデベロッパーサイト (http://www.apple.com/developer)では、インストーラーCD-ROMを20ドルで提供している。Windows 2000対応のDarwin Streaming Serverを今年5月に出荷
オープンソースのもう1つの製品である『Darwin Streaming Server』のアップデートに関する発表も行なわれた。アップルは5月、Windows NTとWindows 2000に対応する『Darwin Streaming Server』の次期バージョンの出荷を開始する。同製品は、 QuickTime動画のストリーミング再生をするサーバーソフトウェア。現バージョン(2.0)は、Mac OS X、FreeBSD、Linux、Solarisに対応している。展示会場では、『Windows 2000 Server』に対応した『Darwin Streaming Server』のデモストレーションが行なわれた |
・Drawin 1.0に関するプレスリリース
http://www.apple.com/pr/library/2000/apr/05darwin.html
QuickTime 4.1.1を出荷
MacOS、Windowsに対応するマルチメディア再生環境の最新版『QuickTime 4.1.1』が出荷された。Windows対応版ではこのバージョンから、『Windows 2000』に対応する。このほか、VRB(Variable Bit Rate) MP3ファイルのサポート、ストリーミング再生能力の向上、SIL経由での複数の動画再生のサポートなどの機能拡張がある。また、MacOS対応の『Movie Player』はAppleScriptをサポートするようになった。アップルの発表によれば、『QuickTime 4』のダウンロード数は3200万を記録した。音楽、ビデオ、ニュース番組などを提供する“QuickTime TV”には新たに10チャンネルが加えられ、総チャンネル数は40を超えることとなった。
QuickTimeプロダクトマーケッティングの責任者、フランク・カサノバ・ II世(Frank Casanova II)氏。3月にサンフランシスコで開催した“flashfoward 2000”では、QuickTime技術に関する基調講演を行なっていた |
・QuickTime
http://www.apple.com/quicktime/
・QTVチャンネル追加に関するプレスリリース
http://www.apple.com/pr/library/2000/apr/05qtv.html
オンラインカスタマーサービスにKanisa ESPを採用
アップルは、米Kansia社の技術を使ってオンラインによるカスタマーサービスを強化し、2000万を超えるマッキントッシュユーザーや企業をサポートすると発表した。アップルは今後、米Kansia社に1500万ドルを出資する予定。アップルと米Kansia社は今後、共同で『Kanisa ESP』のカスタマイズを行なうことになる。これにより、アップルは同社のホームページ上 (http://www.apple.com/)で、カスタマーサービスを顧客のレベルに応じて個別に提供できるようになるという。
・Kansia ESP
http://www.kanisa.com/products.html
・Kansiaに関するプレスリリース
http://www.apple.com/pr/library/2000/apr/05kanisa.html
MacOS Xのプレゼンテーション
アップルの展示ブースは、MacOS X(およびDrawin)、WebObjects、QuickTimeの3つのテーマで彩られた。また連日、Macworld Expoではお馴染みの巨大スクリーンを使用したプレゼンテーションが行なわれ、今年夏に出荷が予定されている『MacOS X』のユーザーインターフェースなどが紹介された。アップルは今年3月、デベロッパーを対象にしたプレビューリリース『MacOS X Developer Preview 3』を出荷している。2001年1月にはマッキントッシュ製品へのプリインストールが予定されている。クリックを待つ“Apply”ボタンが、ゆっくりと点滅する |
“新規保存”(Save As...)のダイアログボックス |
Finderからは、QuickTimeムービーファイルを表示(View)できる |
クラッシュを再現するアプリケーションを起動。クラッシュ後も、MoviePlayerは動画再生を続けた |
お馴染みとなった“Dock”。“Dock”のアイコン上にカーソルを移動すると、そのファイル名が表示される |
シングルモードでは、“Dock”へのファイルの出し入れが同時に行われる |
そしてNAB 2000へ
8日からラスベガスで開催している“NAB 2000”において、10日、アップル、Pinnacle Systems社、Matrox社の3社は報道関係者に何らかの発表をする予定だ。同イベントは、メディアコミュニケーション最大級のトレードショーだ。Pinnacle Systems社は、ビデオ編集のシステムを提供する企業。Matrox社は、プロフェッショナル向けのビデオツールやネットワーク機器などの製品を開発している。QuickTimeストリーミングによる成功を確実なものにしつつあるアップルが、これら2社とどのような発表をするのか、楽しみなところだ。
・NAB 2000での発表に関するプレスリリース
http://www.apple.com/pr/library/2000/apr/05nabalert.html
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