インクリメントP(株)、三井物産(株)と共同で、iモード対応カーナビゲーションシステム向けの情報配信サービスを3月下旬に開始すると発表した。すでに両社は、iモード携帯電話向けに地図と店の情報を組み合わせた情報配信サービス“iMapFan”(アイマップファン)を3月1日に開始しているが、このサービスをiモード対応カーナビゲーション向けにも提供する。
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三井物産、ITマーケティング事業部システムインテグレーション事業室SI&ITSチームの松本直樹マネージャ |
iMapFanは、インターネット上でパソコンなどに向けて提供している地図検索・表示、店舗などのスポット情報検索・位置表示サービス(現在15万件以上)、『MafFan
Web』(マップファンウェブ、会員数25万)を、iモード向けに仕様変更したもの。iモード携帯電話のディスプレー上に12段階の縮尺の地図を表示でき、駐車場やホテル、トイレ、レストランなどの情報の検索が可能。検索したスポットを地図上に表示させることもできる。3月1日から試験的に無料で提供(通信料は必要)しているが、4月からは月額300円の有料のメニュー登録が必要となる。
メニュー登録すると、検索した店の位置情報を、ほかのiモード携帯電話やiモード対応カーナビゲーションなどに向けてメール送信したり、検索されたスポットをもとに、さらにその周辺について検索する、といったことが可能になる。ただし、地名や駅名からその場所の地図を表示するだけであれば、登録なしに利用できる。iモードの通信料金については、1回地図を表示させた場合、およそ5円かかるとしている。なお、地図データは現在モノクロで提供されているが、4月にもカラーに対応するとしている。
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インクリメントP、第2企画製作部の野崎隆志部長 |
今回iモード対応カーナビと連携可能になったことで、スポットをiモード対応カーナビで検索して、それをカーナビの目的地とし、近くの駐車場に車を停めた後は、iモード携帯電話で位置を確認しながら、店の直前までナビゲートすることが可能になるとしている。
ただ、現在iモード対応カーナビゲーションとして発表されているのは、松下通信工業(株)の『CN-DV2520ID』(26万円)および『CN-DV2520IXD』(37万8000円)の2機種で、さらに28日に出荷される『モバイルコミュニケーションユニットCY-CM200D』(3万9800円)と、カーナビゲーション接続機能“iナビリンク”機能を持ったiモード携帯電話『P502iHYPER』が必要。これら以外のiモード対応カーナビは、4月に2社(企業名は未公表)、秋にはさらに数社から発売される見込み。iナビリンク機能については、今後発売されるiモード携帯電話は基本的に対応するものと見られる。
インクリメントPの野崎部長によると、将来はスポット情報のリアルタイム化を進め、例えば駐車場の満空情報や、本日のおすすめメニューなどを提供していきたいという。
また、両社はiMapFanで提供している地図を利用できるインターフェース“iMapFanリンク”を、ほかのiモードコンテンツ提供者に向けて、無償で公開すると発表した。利用可能なコンテンツ提供者は、企業、個人、NTTドコモ公認、未公認を問わない。
公開されるのは、緯度経度、住所、駅名、郵便番号のいずれかからリンクするための仕様で、これらをコンテンツ内に持つ提供者は、すぐに地図情報付きコンテンツにすることが可能だという。
両社にとっては、これらのサイトを利用したユーザーがiMapFanサービスを認知し、ひいては会員登録を行なうことを期待できるというメリットがある。NTTドコモでは、今年中にiモード契約者1000万人を目標としているが、これらのうち数パーセント(20万ないし40万人程度)の登録者を得たいとしている。
![]() | iMapFanの地図情報表示例 |
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iモード対応カーナビでの表示例 |
