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特定の領域でNo.1を。深さを追及する“ISIZE”のビジネスモデルを検証――“関西ウェブマスターオフ”より

2000年02月08日 00時00分更新

文● 正月孝広 

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5日、今年最初の“関西ウェブマスターオフ”がデジタルハリウッド大阪校にて開催された。主催は関西ウェブマスターオフ実行委員会。デジタルハリウッド大阪校と(株)パイナップルカンパニーの協賛を得ての開催である。

“関西ウェブマスターオフ”とは、“世界一小さなテレビ局”KNN(Kanda News Network)の神田敏晶氏を中心に'97年8月から開催されている、ウェブマスターのためのオフラインミーティングである。
毎回テーマに沿った講師を招き、1限目は講習会、2限目は交流会という段取りで行なわれている。'98年7月には“関東ウェブマスターオフ”も開催された。年に数回の不定期開催であるが、確実に参加者を伸ばし、ウェブマスターの交流の場として大きな存在となってきている。

デジタルハリウッド大阪校B1F。おしゃれなコミュニケーションスペース。セミナールームはこの左側に位置する
デジタルハリウッド大阪校B1F。おしゃれなコミュニケーションスペース。セミナールームはこの左側に位置する



セミナー会場の様子。回を追うごとに参加者も増え充実してきた
セミナー会場の様子。回を追うごとに参加者も増え充実してきた



ウェブの世界は紙メディアのように一方的な完結はしない

今回のテーマは“リクルート‘ISIZE’ビジネスモデル徹底検証!”~Mix JuiceからISIZEへのネットブランドの確立と‘ブランド・マーケティング’のすべて~”と題し、(株)リクルートISIZE編集長、大庭広巳氏を迎えて、ISIZEの全貌に迫った。

本日の講師、リクルートISIZE編集長、大庭広巳氏(左) 司会進行、KNN(Kanda News Network)神田敏晶氏(右)
本日の講師、リクルートISIZE編集長、大庭広巳氏(左) 司会進行、KNN(Kanda News Network)神田敏晶氏(右)



まず、誰からも問われるという“MIX JUICE”から“ISIZE”へのブランド名の変更について、これまでの経緯を時間軸に沿って解説がなされた。

大庭氏は「'97年からネットビジネスに参入したが、そのころは大きな検証期間だった」と当時を振り返った。リクルートでは多くのジャンルにわたり出版業務に携わっているが、“MIX JUICE”時代、コンテンツと各雑誌はロジックからインターフェース、データベースまでばらばらで連携がなかったという。

その中でもアクセスを分析するに従い、ユーザーが何を求めているのか分かってきたとのこと。ウェブの世界では比較検討において、紙の世界を超えたものが求められている。紙のメディアのように一方的に膨大な情報を提供するだけでは完結しない。実際に行動を起こし、結果としての満足を得るところまでユーザーはウェブの世界に求めているという。このようなシステムを提供するところに新しいビジネスモデルがあるとした。

また、AOLを例に挙げ、ライフスタイルにおいて、スマートであること、かっこいいということは非常に大切なキーワードであるという。これ以外にも、ネットワークでの情報の扱い方、データのセキュリティーには、高度なシステム運用が必要であると述べた。

リクルートISIZE編集長、大庭広巳氏リクルートISIZE編集長、大庭広巳氏



フォーカストポータルを目指す“ISIZE”

'99年1月、“MIX JUICE”は、まったく異なるブランド“ISIZE”として登場した。“ISIZE”とは“Just I Size.”からきた造語で、I+Size、つまり私サイズに合ったライフスタイルを応援するという意味である。

ISIZEは、いわゆる総合的なポータルサイトを目指しているのではなく、フォーカストポータルを目指しているという。単にトラフィックだけを求めるのではなく、特定の領域でNo.1を目指す方向、枠を広くしていくのではなく、深さを追及していくこと。つまり、目的を持っている人を大切にするサービスである。

現在はそのために必要なツール、コンテンツを意欲的に提供している。“BIDDERS”という個人情報を非常に厳しく管理しているオークション。eグループと提携してコミュニティーをサービスする“ISIZEメールグループ”。そして、同じウェブサイトにアクセスしている人とコミュニケーションができる新感覚のツール、“GOOEY”などがある。

大庭氏は「目的指向の人にこそ“ISIZE”を使っていただきたい」と強く語った。

最後に質疑応答が行なわれた。よくあるセミナーと違い意見交換が活発なのも“関西ウェブマスターオフ”の特徴である。良く言えば真剣で熱心な、言い方を換えると遠慮会釈のない質問が講師に浴びせられる。

質疑応答の一場面。終了時間ぎりぎりまで熱心なディスカッションが行なわれた
質疑応答の一場面。終了時間ぎりぎりまで熱心なディスカッションが行なわれた



ビジネス・モデル・パテント、クオリティーコントロール、ディレクトリーにおけるブランド展開など、非常に具体的な質問が飛び交うのは、テーマに関してそれぞれのウェブマスターが下準備をして、このオフに参加しているからである。緊張感のあるとてもいい雰囲気で講演会は終わった。

このオフは“旬”のテーマをはずすことなく開催される。次回は未定だが、関西のネットワークパワーの中心地として今後も期待したい。

“関西ウェブマスターオフ”の運営を担当。デジタルハリウッドプレイスメントセンターの木下氏(左)、パイナップルカンパニーCEOの圓尾氏(中)、KNN(Kanda News Network)の神田氏
“関西ウェブマスターオフ”の運営を担当。デジタルハリウッドプレイスメントセンターの木下氏(左)、パイナップルカンパニーCEOの圓尾氏(中)、KNN(Kanda News Network)の神田氏

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