(株)毎日放送(大阪府、MBS)は9月27~29日の3日間、“MBSメディアショー”を開催した。デジタル放送のデモ番組や伝送実験、次世代テレビなどデジタル放送関連のサービスや製品が集まり、来年秋にもスタートするデジタル放送の実際をうかがわせるイベントとなった。デジタル放送の最新技術があふれた会場の模様を2回に分けて紹介する。
デジタル放送が生活も変える!?
MBSメディアショーでは、デジタル放送を核とした情報家電による新しい生活スタイルを展示したブースが設けられた。MBSが制作したデジタル放送のデモ番組も放映され、番組と連動してリアルタイムでオンラインショッピングに参加できる様子などが公開された。![]() |
---|
“家庭のデジタル化”のデモ。説明では「デジタル放送の特徴はオンデマンド、インタラクティブ。無料で役に立つ情報がいつのまにかテレビに送られています」 |
![]() |
---|
公開されたデモ番組では、生放送という設定で、オンラインショッピングが行なわれた |
![]() |
---|
販売された商品はエヴァンゲリオンのフィギュア。購入はリモコン一発で行なえる。スタジオ側では『初号機に人気がありますね』などとリアルタイムで注文状況を確認、番組に反映できる |
![]() |
---|
注文時にはルーレットなどのゲームに参加でき、当たった人には割引サービス、といったことも |
![]() |
---|
これは“電子ちらし”。デジタル放送とインターネット、オンラインショッピングの主役はどちらになるのだろうか |
![]() | デジタル情報家電の軸となるホームサーバー。DVD-RAMドライブ内蔵型で、100枚のディスクをチェンジャーで交換、260GBの容量を持つ。テレビ番組の録画、データ放送の受信などを集中的に行なう。未来の家庭ではビデオデッキやセットトップボックスといった概念は無くなってしまうかもしれない。日本ビクター(株)の出展 |
---|
![]() | ついに出たか、といった感じの“インターネット冷蔵庫”。インターネット電子レンジを発売した(株)シャープの試作品。よく伝言板やちょっとしたメモを貼っておく扉の部分に液晶ディスプレーを装備し、料理のレシピからごみ出し日まで参照できる。家庭内の回覧板機能も持ち、伝統的な“冷蔵庫の扉機能”は健在だ |
---|
![]() |
---|
こちらは2000年秋にも始まるBSデジタル放送のデモ番組。TBS系列で番組改編期に放送される、芸能人200人参加の大型クイズ番組だが、デジタル放送では視聴者も参加できてしまう |
地上波デジタル放送伝送実験
会場では、地上波デジタル放送の伝送実験も行なわれた。地上波デジタル放送は2003年にも東京、大阪、名古屋の大都市圏で開始される予定となっている。1チャンネルでHDTV(高品位テレビ)なら1チャンネル、SDTV(標準精細テレビ)なら3チャンネルを流すことができ、多チャンネル化を担うのは地上波デジタルだとされる。実験では、会場外で行なわれたインディーズバンドのライブを中継。時間によってHDTV1チャンネルとSDTV3チャンネルに切り替えられ、デジタル放送による高画質化、多チャンネル化を実感できた。![]() |
---|
地上波デジタル伝送実験では、会場の映像を中継車から送出し、中継局を経由して会場で受信した。使用されたテレビは(株)富士通ゼネラルのプラズマディスプレーテレビ |
電子マネーに超高精細テレビも
MBSメディアショーでは、デジタル放送に直接関わりはないものの、未来の放送文化を支えるかもしれない製品も展示されていた。![]() |
---|
電子マネーの『モンデックス』。参加企業の(株)日立製作所では、2000年4月から川崎市の情報システム事業部でモンデックスを使った実験を開始する。対象は1万人で、ビル内の自動販売機や売店に読み取り機を置き、ICカードを社員証、電子マネーとして使用する |
![]() | 凸版印刷(株)が出展した超高精細テレビ。28インチ相当の大きさで、2048×2048ピクセルの表示が可能。一式約2000万円。ハイビジョンの6倍の表示能力を持つといい、飛行場の管制室などで使われているものを、同社がバーチャル美術館として実験的にコンテンツを制作して展示した。あまりの高解像度のため、2次元の風景写真が立体的に見えてしまうほど。同社では土器のデータベースなど、文化、学術分野のデジタルデータベース作りに取り組んでいる |
---|
![]() | (株)島津製作所とザイブナー(株)のウェアラブルPC。物流や工場などで、マニュアルを参照しながらハンズフリーで作業することが可能。未来の街角では、こんな姿でモバイルしながらオンラインショッピング……といった光景もきっと見られる |
---|
