凸版印刷(株)は、日本画家の作品をデジタルデータ化し一元管理する“トッパン日本画家アートアーカイブ”事業を1日に一部開始したと発表した。これは、作品を高精細のデジタルデータで保存することで、正確な色彩を後世に伝えることを目的とするもの。同社はこの事業を長期的に行なう。
デジタルデータ化は、同社が開発したカラーマネジメントシステムによる画像データベース技術が基礎となっている。今回の事業に関しては、現在、東山魁夷氏など文化勲章受賞および文化功労者を中心に、10人の日本画家の全作品に対し、契約の締結を完了しているという。
対象となった作品は、複写カラーフィルムをデジタルデータ化し、印刷用のCMYKデータと校正用のRGBデータに分けてデータベースに蓄積する。それぞれの作品には、制作記録や出展経歴、解説などのテキストデータも収録される。また、作品の画像データは印刷原稿としても使用。この場合、印刷データやカラーフィルムに再出力(4000×5000ピクセル)として利用する。
売上の目標は、関連受注も含めて5年間で80億円の見込み。今後は、若手日本画家も含め、デジタルアーカイブの対象作品を順次拡大する。また将来的には、洋画や版画の作家にも対象を拡大するという。
