日本電気(株)は1日、都内で記者会見を開催し、金融機関向けの勘定システム『BankingWeb21』を発表した。同時に、BankingWeb21の販売やシステムの保守、運用に関する提携を、米ヒューレット・パッカード社、日本ヒューレット・パッカード(株)、米オラクル社、日本オラクル(株)、米BEAシステムズ社、日本ビー・イー・エー・システムズ(株)と結んだことも発表した。
左から、日本電気の西垣浩司社長、日本電気(株)の川村敏郎支配人、米HPのWilliam V. Russell(ウィリアム・V.ラッセル)バイスプレジデント、日本HPの寺澤正雄社長 |
左から、日本BEAの井上基社長、米BEAのBill Coleman(ビル・コールマン)会長兼CEO、日本オラクルの佐野力社長、米オラクルのGary Bloom(ゲイリー・ブルーム)バイスプレジデント |
BankingWeb21は銀行など金融機関を対象とした勘定系システムで、銀行業務の基幹部分となる預金、為替、融資、顧客管理、総勘定元帳の管理をサポートする。システム構成の概念としては、ネットワークの中心に全体を統括するサーバーを設置し、それに預金や為替などを担当するサーバーを接続して運用する。新たな機能を付加する際にはサーバーを追加、もしくはソフトウェアを新規導入することで、機能を追加することができるという。
サーバーのプラットフォームはHP-UXを使用し、ハードウェアはCPUにHPのPA-RISCプロセッサー(PA-8500)を搭載したNECのハイエンドサーバー『NX7000』シリーズを用いる。DBMSには『Oracle』を採用する。
NECは、今回のシステム開発に際し、前述の各社と戦略提携を結んだ。これは“Global
Banking System Solution Alliance”(GBSソリューションアライアンス)と名づけられている。この提携は、BankingWeb21の製品開発とこれを利用したシステムの開発、運用保守サポートを共同で行なうことが中心となる。4社で共同で製品開発を進めるほか、顧客に対するシステム構築サポートや24時間365日の運用保守サポートも提供するという。
また、販売に関しても共同で行なうことを予定しており、顧客に対して共同プロジェクトを組んでアプローチをかけることも想定している。今回に限らず、4社は今後も新たなシステムの開発に向けて協調姿勢を維持するとしている。
NECの西垣氏は、「国際競争力を持った製品の開発に取り組んできた。アジアでは古い勘定系システムを運用している金融機関が多く、ビジネスチャンスは大きいと考えている。HP、オラクル、BEAという強力なパートナーと協力してビジネスを進めたい」とコメントした。
西垣氏(中央)を中心に各社の出席者が並んだ |
NECでは、BankingWeb21の販売活動を本日開始した。価格は顧客数が100万、口座数が200万規模のシステムで20億円となっている。すでに(株)八千代銀行への導入が決まっており、2001年5月のシステム稼動を予定しているという。
同社では今後5年間で100システムの販売を見込んでいる。
すでに類似したシステムを米IBM社や(株)日立製作所が提供しているが、差別化は図られているのか、という問いが記者団から出された。これに対してNECは、「先行ベンダーが存在するのは認識している。しかし、それは海外での導入事例がほとんどで、日本独特の金融システムに対応したものは見うけられないと認識している」(西垣氏)とコメントした。