犯罪捜査に電話や電子メールなどの通信傍受を認める組織犯罪対策3法案が1日、衆議院本会議で一部修正のうえ、自民、自由、公明3党の賛成多数で可決、衆議院を通過した。これに対し、3法案のうち特に犯罪捜査での通信傍受を合法化する“通信傍受法案”(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案。通称:盗聴法)に反対する、プロバイダーやネットワークコンサルタントといったインターネット関連の専門家たちが集まり、“インターネットと盗聴法---技術者が見た盗聴法の問題点”と題したブリーフィングを衆議院第二議員会館で行なった。
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通信傍受法案は、犯罪に関する内容の通信が行なわれる可能性がある場合、検察官や司法警察員が、電話やFAX、電子メールなどの通信を傍受できるというもの。傍受すべき通信内容かどうかを判断するために必要最小限度の範囲で通信の予備的傍受も行なえるという。
これに対し、反対者側は「インターネットに関しては技術的な論議はほとんどされていない」と反発、専門家の意見を発表した。それによると、例えば電子メールを傍受する場合、ドメインネームで識別すると考えられ、そのドメイン内に入ってくるすべての情報が傍受の対象になってしまう可能性があるという。現在、インターネットはプロバイダーや大学などを中継地点として回線が網羅しているが、その中継地点で傍受されると、その回線に関わる一般ユーザーの通信情報が捜査機関に漏れてしまい、プライバシーの侵害につながるとしている。
主催者のJCA-NETおよび反盗聴法プロジェクトは、今後も通信傍受法案の反対行動を続けていくとしている。
