米インテル社と米サイリックス社は、開催中のCeBIT'98で、CPUのロードマップを発表した。
米インテル社は、“Mobile PC”、“Basic PC”、“Performance PC”、“Server/Workstation”という4つのカテゴリーごとに最適なCPUを製造する。Mobile
PC用の『Mobile PentiumII』は、2次キャッシュが512KBのPBSRAM、チップセットは440MOBを採用し、バスクロックは66MHzで、233、266、300MHzの3製品を年内に発売する。
Basic PC用の『Celeron(セレロン)』は第1弾として7月以降に2次キャッシュなしの266MHzの製品を発売、さらに年内には、「integratedされた2次キャッシュを搭載した」(米インテル社のAlbert
Yu上級副社長)300MHzの製品を発売することも明らかにした。
Performance PC用には、より性能を向上させた『PentiumII』を発売する。チップセットが440PERF、バスクロックが100MHz、AGPとIntel740に対応した『PentiumII』の350MHz、400MHz、450MHzの3製品を今年後半に発売する。また、Server/Workstation用には、“SVW”というコードネームを持つCPUを発売することも明らかにした。
米サイリックス社は、すでに18日に233MHzの『MMX-Enhanced MediaGX』を発表しているが、第3四半期に266MHz、第4四半期に300MHzの製品を発売する。また、CeBIT'98の会場で『6x86MX
PR266MHz』を発表し、デモンストレーションを開始。『6x86MX』シリーズは第2四半期中に300MHzの製品を発売、第3四半期から、バスクロックが100MHzで、0.25μmプロセステクノロジーを採用したCPUとして、350MHzの製品まで発売することも明らかにした。
米インテル社と米サイリックス社の2社がCeBITにあわせて新製品とロードマップを発表したのに対し、米AMD社は、『K6-3D』などの新製品がCeBITに間に合わなかったために、記者発表は何もないという寂しい状況に陥ってしまった。
展示会場のブースも、スペースを大きくとっているインテルは、大型のシャトルバスを設置して、おなじみの機密服姿の人をかたどったぬいぐるみを配布して人気を集めていた。インテルのブースで注目を集めていたのは、『Mobile
PentiumII』を搭載したノートパソコンで、絶え間なく人だかりができていた。一方、サイリックスも『MMX-Enhanced
MediaGX』搭載のパソコンの周囲には、多くの人が集まっていた。
これに対し、目玉となる製品がなかったAMDのブースは閑散としているかと思ったら、意外にも結構な人だかりができていた。多数の人が群がるデモ中のパソコンの上には、“World's
FASTEST K6 400MHz”と書かれたプレートがつり下げられていた。これは、AMDの製品ではなく、米Kryotech(クリオテック)社が作った、300MHzの『K6-3D』を400MHzにするアクセラレーター『Cool
K6 3D』(第2四半期中に出荷予定)で、AMDの『K6-3D』が正式に発表される前に、アクセレーターが注目を集めるという皮肉な結果となってしまった。(報道局 佐藤和彦)
・米インテル社
http://www.intel.com/
・米サイリックス社
http://www.cyrix.com/
・米AMD社
http://www.amd.com/
・米Kryotech社
http://www.kryotech.com/