たっぷり録るならiVIS HF11
残念ながら、全機種揃えての横並び比較ができなかったので、主にスペック面での比較をしてみたい。今回は各製品の対応するメモリーカードと記録時間の関係を比べてみた。
4機種中3機種は、SD/SDHCメモリーカード(以下SD、SDHC)に対応。ソニーのHDR-CX12のみが、メモリースティックPROデュオ(以下メモリースティック)対応となっている。
SDHCの場合、現時点で市販されているメディアの最大容量は32GB。一方、メモリースティックの最大容量は16GB。単純な記録容量ではSDHCに対応する製品に分がある。
しかしHF11だけは、製品情報ページに対応する最大容量の記載がなく、記録時間の目安には16GB、動作確認済みSDHCの欄では8GBまでしか記載されていない。「カード1枚で長時間録りたい」という場合には、SDHC 32GBに対応するDMX-HD1010とHDC-SD100が優れている。
だが、HF11は本体内に32GBのフラッシュメモリーを内蔵しているので、16GBのSDHCと組み合わせれば、容量は最大48GBになる。つまり、最大メモリー容量の点では、HF11が最も優れることになる。ちなみに、HDC-SD100とHDR-CX12には、8GBのメモリーカードが付属する。DMX-HD1010とHF11には付属しない。
メモリーカードでは、価格/容量比も気になるところだ。16GB同士で比較した場合、どちらも1万8000~1万9000円程度で、SDHCとメモリースティックの価格差はほとんどない(SDスピードクラス 6に対応するパナソニックの高速SDHCは、1万円ほど高い)。ただし、ブランド品にこだわらなければ、SDHC 16GBでは1万円を切るものもあるので、価格/容量比でもSDHCの方がやや魅力的か。
記録時間については、ビデオカメラによって最大ビットレートが異なるので、16GBのメモリーに記録した場合の記録時間を、グラフでまとめてみた(DMX-HD1010のみ、8GBの数値を2倍にしている)。なお最低画質とは、ハイビジョン品質での記録モードの中でも、最もビットレートの低いものを示す。
いずれもコーデックは同じAVCHDで、記録時間はほぼビットレートに比例する。最高画質ではHF11が短いのだが、これはHF11の最高画質が約24Mbpsであるためだ。約17Mbpsの画質モードの場合は、他機種とほぼ同等の約2時間5分となっている。HF11は内蔵32GBと16GBのSDHCを組み合わせると、最高画質でも約4時間20分録画できる計算になる。
DMX-HD1010は、最高画質でもビットレートがやや低い約14Mbpsなので、記録時間は長めだ。逆に最低画質のビットレートが約9Mbpsとほかより高めなので、こちらは逆に短めになっている。
録画の画質はビットレートだけで決まるものではないが、内蔵32GB+SDHCで大容量を実現したHF11は、現時点では一番たくさん録れるメモリー型ハイビジョンビデオカメラと言えよう。