台湾の半導体ファウンドリーTSMCは10日、横浜で記者会見を開催した。会見には台湾本社からCEOのRick Tsai(リック・ツァイ)氏が来日。2007年上半期の業績を振り返るとともに、今後の予測を示した。
成長は穏やかだが、悲観はしていない
会見の中でツァイ氏は、半導体業界にとって2007年の上半期は穏やかなものだとコメントした。2006年には97億6000ドル(1兆1208億円)の売上げを計上したTSMCだが、2007年の上半期はIDMなどの在庫調整を受け、42億3000ドル(約4619億9000万円)と昨年を下回る結果となった。同社では通期では昨年を若干上回る見通しとしているが、厳しい状況にある。
とはいえ、今後の半導体市場の成長率に関しては楽観的な観測を持っているとツァイ氏は話す。成長率は、年率で7~8%と穏やかなものになるが、アジアなど新興国市場で携帯電話機などの需要が安定して伸びる点や医療機器などで新しいタイプの半導体の需要があることなどがその理由だ。
テクノロジー面では、2008年には45nmプロセスの利用が大きく進む見込み。Low Powerタイプの製品が年初にリリースされることに続き、General Purpose、High Speed製品のリリースが行なわれるという。