東京・有明の国際展示場で11日、国際フラットパネルディスプレー展“Display 2007”および“FINETECH JAPAN”“FPD部品・材料 EXPO”が開幕した(会期は13日まで)。ここではDisplay 2007を中心に会場のレポートをお届けする。特に注目を集めていたのは、ソニー(株)が国内で初めて披露する27Vインチの有機ELパネルを採用した、フルHD対応薄型テレビだ。
すでに“2007 International CES”で展示されており(関連記事)、初お目見えということではないが、国内で一般ユーザーも実機が見られるのは今回が初めてとなる。11Vインチと27Vインチの2種類が展示され、前者は3mm、後者は9mmという薄さを実現している。コントラスト比100万:1、画面輝度600cd/m2(ピーク時)という画質に魅了されたのか、ブースは人だかりが絶えなかった。
動画に強い次世代ディスプレイ“FED”
また、(株)エフ・イー・テクノロジーズが出展していた“FED(Field Emission Display)”も注目を集めていた。FEDは電子を蛍光体にぶつけて発光させる“自発光型”ディスプレー。液晶ディスプレイのような“ホールド型駆動”(1フレーム中同じ絵を表示し続ける)ではなく、CRTのような“インパルス型駆動”(1フレームよりもさらに短い時間の1瞬だけ映像を表示する)が可能で、動画を表示した際にぼやけないのが特徴。また、自発光型なのでバックライトなどが不要で、従来の液晶ディスプレーと比較して部品点数を少なくでき、量産化体制ができればコスト的にも有利だという。
今回展示していたのは19.2インチのもので、従来の液晶ディスプレーとの動画表示比較などを行なっていた。同社で製品化し販売することは考えていないようで、今後1年ぐらいをかけてほかの企業と製品化のプランなどを練っていきたいという。
100インチ超の大型テレビも
巨大なテレビもいくつか展示されていた。松下電器産業(株)のブースでは、世界最大という103Vインチフルハイビジョンプラズマテレビが展示されていた。サイズは2269×1277mmでコントラスト比は4000:1。またソニーのブースでは、欧米モデルとして70Vインチの液晶テレビを参考出展していたが、国内での発売の予定はないとのこと。そのほか、日本ビクター(株)のブースでは、世界最大という110Vインチのリアプロジェクションテレビが注目を浴びていた。
そのほか気になったもの
松下電器が10日に42インチのフルHD対応プラズマテレビを発表したが(関連記事)、(株)日立製作所のブースでも42インチフルHD対応のプラズマテレビが参考展示されていた。ただし、まだ開発中ということで、発売時期などは未定だという。
東芝松下ディスプレイテクノロジー(株)のブースでは、3Dディスプレーや携帯電話向けディスプレーなどが展示されていた。
