パイオニア(株)は28日、PLC(Power Line Communication:電力線搬送通信)技術を利用したネットワークオーディオシステム“music tap(ミュージックタップ)”3製品とmusic tap用iPodコントロールドック『IDK-01』を3月下旬に発売すると発表した。
music tapは、手持ちの音楽再生機器を接続して、音楽を配信する“サウンドステーション”と増設用の“ネットワークスピーカーL”“ネットワークスピーカーS”の3種類で構成される。電力線を通して音楽信号を送ることができる技術の採用により、コンセントを通じて離れた部屋のネットワークスピーカーで音楽を再生できる。
サウンドステーション、ネットワークスピーカーL、ネットワークスピーカーSの3つがセットになった『XW-PSS01』の価格はオープンプライスだが、編集部による予想実売価格は6万8000円前後。スピーカーは単体販売もされ、計6つまで増設できる。ネットワークスピーカーLの予想実売価格は2万7000円前後、ネットワークスピーカーSの予想実売価格は1万9000円前後。
サウンドステーションは、前面にUSB 1.1端子(Aタイプ)×1、ステレオ音声入力(ミニジャック)×1を搭載し、背面にUSB 1.1端子(Bタイプ)×1、ステレオ音声入力(RCA)×2、ステレオ音声出力×1を搭載する。前面のUSB入力では、USBマスストレージに対応するUSBメモリーを接続すれば、MP3/WMA/MPEG-4 AAC形式の音楽ファイルを再生できる。ただし、著作権保護のかかった音楽ファイルの再生には対応していない。そのほか、2つの離れたスピーカーにそれぞれ異なる音楽を配信できる“デュアルモード”機能を搭載する。サイズは幅250×奥行き183×高さ47mm、重量は1.2kg。
ネットワークスピーカーLは、天面に25W+25Wのステレオスピーカーを搭載。カードタイプの専用リモコンが付属し、離れた部屋からサウンドステーションの電源ON/OFFや曲の切り替えなどができる。サイズは幅452×奥行き112×高さ162mm、重量は2.8kg。
ネットワークスピーカーSは、5Wのモノラルスピーカーを搭載。“モーションセンサー”を搭載し、人や物の動きを感知して自動でスピーカー自体の電源ON/OFFや音楽の再生/停止が行なえる。モーションセンサーによる再生停止は、人がいなくなってから1分後に再生を停止する“ショート”と30分後に再生を停止する“ロング”の2つのモードを搭載する。リモコンによるステーションの遠隔操作機能は搭載しない。サイズは幅109×奥行き109×高さ176mm、重量は1.2kg。
iPod用コントロールドック『IDK-01』は、ステレオ音声出力(RCA)×1、コンポジット映像出力×1、S映像出力×1を搭載し、iPod内の音楽をミニコンポなどに出力できる。また、OSD(On Screen Display)機能を搭載し、付属の専用リモコンを使ってiPodの操作を離れた場所から行なえる。そのほか、music tap用のコントロール端子を背面に搭載し、music tapと接続すれば、家中どこでもiPod内の音楽を楽しめる。ネットワークスピーカーLからの遠隔操作にも対応。本体サイズは幅99×奥行き74×高さ33mm、重量は200g。価格はオープンプライスだが、編集部による予想実売価格は1万4000円前後。
発表会では、ホームエンタインメントビジネスグループ 事業企画部の一楽淳史(いちらくあつし)氏が出席し、製品概要の説明およびデモンストレーションなどを行なった。
一楽氏は、music tapのコアターゲット層について「主要都市に住む20代後半から30代の女性」と述べ、「自分たちのライフスタイルイメージと経済力の両方を持つ人々である」と説明した。ただ、離れた部屋でも音楽が楽しめるという製品コンセプトから、1人暮らしの女性ではなく、ある程度部屋数がある家に住む既婚者の女性が主なターゲットになるという。また、無線LANではなく、コンセントを利用するPLCを採用した理由として、「無線LANの場合は、部屋の間取りや素材、鉄筋で壁が厚い家などだと十分に電波が届かない可能性があるが、コンセントならば難しい設定も間取りも気にすることなく、ケーブルの取り回しもそれほど気にすることがない」と説明した。
