パソコンメーカー各社からWindows Vista搭載パソコンが続々と発表された15日、マイクロソフト(株)は東京都内にて記者説明会を開催し、メーカー各社のVista搭載パソコンを披露すると共に、Vistaおよび搭載パソコンの販売促進に向けた施策を発表した。
説明会の冒頭で挨拶を述べた、同社代表執行役社長のダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏は、「10年前、同時に登場したWindows 95とOffice 95によって、新しい時代が始まった。富裕層やビジネスユーザーのものから、本格的なパソコンの民主化が始まった」と述べたうえで、Vistaが発売となる30日から、パソコンの新しい時代が始まるとした。
同社では昨秋より、エンドユーザーがVistaやOffice 2007に触れられるイベントを多数開催することで、直接体験したユーザーの購買意欲をかき立てるマーティング施策を展開している。ヒューストン氏は2006年11月に開催した“WPC TOKYO 2006”では、17万人もの来場者が同社ブースでVistaを体験したとの例を挙げたうえで、体験者はVistaに対する購入意欲が倍増したとの調査結果を披露。今後も体験型のマーケティング施策の展開により、Vistaの販売促進に努める考えを示した。
続いて登壇した同社Windows本部長のジェイ・ジェイミソン(Jay Jamison)氏は、Vistaのキャッチフレーズ“新世代プレミアム”を公開。特にVistaの各エディションの中でも、ホームユーザー向けの『Windows Vista Home Premium』と最上位エディション『Windows Vista Ultimate』が実現するデジタルライフを“プレミアム デジタルライフ”と称して、ホームユーザー向けのキャッチフレーズとして展開していくことを表明した。またVista Ultimate向けのダウンロードコンテンツ“DreamScene”を、日本で初披露した。
体験型マーケティング施策としては、まず新たに“デジタルライフメゾン”を開設する。Vistaとパートナー企業の製品を組み合わせて作る生活空間をイメージしたショールームで、プレミアム デジタルライフの事例を紹介する場となる。報道関係者向けの予約制体験ルームとして、16日から1ヵ月ほど開設される予定。なおデジタルライフメゾンについては、後日ASCII24でもレポートを掲載する予定である。
Vista発売直前の27日と28日には、東京の表参道ヒルズと全国の主要販売店約90店舗にて、VistaとOffice 2007を紹介するイベント“Windows Vista/2007 Office system 新世代プレミアムフェア”が開催されることも発表された。店頭でのVistaのデモが行なわれるほか、表参道ヒルズでのイベントでは、パートナー製品の展示や特別ゲストによるスペシャルステージが行なわれるとのことだ。
CinemaNowの映画を1ヵ月間ダウンロードし放題?
Vista導入を促進すべく実施される、早期導入ユーザー向けの特典についても発表された。まずCinemaNow Japan(株)と協力して、Vista Home PremiumおよびUltimateの機能である“Windows Media Center”向けオンラインサービス“メディアオンライン”から、CinemaNow提供の映画を1ヵ月間無料でダウンロード視聴可能にするという太っ腹なキャンペーン“Windows Vista Cinema de Premiumキャンペーン”を行なう。対象はVista Home Premium/Ultimateのパッケージ製品/搭載パソコンの購入者先着10万名で、期間は2月1日から3月31日まで。期間中にCinemaNowのサービスに登録してから1ヵ月間、約1000本の映画(※1)を無料でダウンロード視聴可能となる。
※1 新作などのアラカルト作品、アダルト作品など一部は対象外
VistaやOffice 2007のパッケージ製品/搭載パソコン購入者を対象に、プレゼントが当たる“Windows Vista/2007 Office system 同時発売プレミアムキャンペーン”も行なわれる。上記購入者から100名に、“プレミアムデジタルライフを実現するグッズ”がプレゼントされるという。期間は30日から4月18日まで。いったい何がプレゼントされるのか楽しみだ。また18日からVista搭載パソコンが当たる懸賞も合わせて実施するとしている。
パソコンメーカー各社代表がVista搭載パソコンをアピール
記者説明会会場には、大手から直販系まで多数のパソコンメーカーによるVista搭載パソコンが展示された。またステージでは大手メーカー9社の代表が登壇し、自社製品でのVista対応の取り組みについて披露した。特にNECパーソナルプロダクツ(株)(以下NEC)、(株)日立製作所、富士通(株)の代表は、デジタル放送対応に関する機能を特徴としてアピールした。Vistaには日本のデジタル放送に対応する機能がなく、標準化されたハードウェアもないため、Vista上でいかにしてデジタル放送機能を実現するかは、各社の腕の見せ所となっている。特にMedia Center機能とデジタル放送機能の融合に早くから取り組んでいたNECなどは、Media Center上でデジタル放送の視聴や録画を行なう独自機能を披露していた。
パソコン本体以外についても、ヒューストン氏は周辺機器やソフトウェアの対応が、パートナー企業により積極的に進められていることを述べた。その上で「パソコンはこの1世紀で最大のイノベーションである」として、VistaやOffice 2007によって生産性の向上や娯楽の体験がさらに広がるだろうとした。