M1とM01は何が違うのか?
DS版「M01」のモデルとなったKORG M1の音源は、PCM波形をフィルタやエンベロープで編集する、現在のデジタルシンセサイザーと同じ構成だ※。同時期にPCM波形を内蔵した「Roland D-50」というモデルもあったが、アタックのようなごく一部にPCMが当てられていただけで、楽器の再現性という意味ではKORG M1にかなわなかった。
※ KORG M1の音源 : ai(advanced integrated) Synthesis Systemと呼ばれていた
その最たるものが「M1 Piano」と呼ばれるリアルなピアノの音色。この時代のサウンドアイコンと言えるほど、様々な楽曲に使われていた。
ニンテンドーDS用のKORG M01は、音色ごとにアタックとリリースタイムの設定はできるが、フィルター部分は省略されているため、積極的な音作りはできない。その代わりシーケンサーパートは8トラックで、同時発音数は12音のポリフォニック。カオスモードでは和音の入力もでき、指定したキーとスケールに沿った和音が出る仕組み。音色を作るシンセではなく、作曲のためのツールと考えたほうがいい。
DS-10ではWiFiを使って8台までの同期が可能だったが、KORG M01では省略された。その理由について、会社説明会での佐野さん曰く「ほとんど誰も使ってなかったでしょ。みんな手動で上手く合わせてたじゃないですか、あんなに苦労してデバッグしたのに!」ということで省略が決まったらしい。
作曲データはDS-10同様、ニンテンドーDS同士のWiFi接続で交換できるが、他の機器に書き出す機能はない。またMIDIの入出力もサポートしないし、オーディオ出力も本体のイヤホンジャックのみとなる。