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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第11回

今川焼じゃダメなんです──タイ焼きに「無償の愛」を捧げる女子ブロガー

2007年11月12日 11時00分更新

文● 古田雄介

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世代交代が進む、タイ焼き店

 

── 今までに何件くらい訪れたのですか?

いとぅ ブログに載せているのは65軒くらい、書いていないものも含めると約70軒ですね。都内を中心に回っていますが、東京はタイ焼き屋が多くてまだ半分も行っていないんです。老舗だと、店員さんが年をとって引退する可能性も高いので、早くしなければいけないと思っています。

 

── たいぶろぐで紹介された店舗の中にも、すでに閉店したところが結構ありますよね。

いとぅ 確かに、1975年の「およげ!たいやきくん」以来、目立つような「タイ焼きブーム」は起きていません。ただ、ここ2~3年の間に、30代前半の人が脱サラしたりして、新しいお店は増えているようです。ほかのファーストフードよりも、タイ焼きは作者の個性が出しやすいというのも理由のひとつかもしれません。

およげ!たいやきくん フジテレビ「ひらけ!ポンキッキ」で発表された、子門真人が歌う童謡で、CDやレコードが450万枚以上売れた。いとぅさんが2番目に訪れたタイ焼き屋「浪花家総本店」が、この歌のモデルになったといわれている。作曲・編曲:佐瀬寿一、作詞:高田ひろお。

 

── 「若い人の作ったタイ焼き」と「老舗のタイ焼き」は、やはり違うものですか?

いとぅ 若い人のお店は、黒糖を混ぜたあんを使ったり、特注の型を注文したりと、何かしら自分なりのこだわりを持っていることが多いです。材料が同じ今川焼きに比べて、タイ焼きにこだわる店員さんが多いように感じます。あとは店員さんがイケメンとか(笑)。



リアクションを求めるならブログ

 

── 最初はmixiでタイ焼きについて書いていたんですよね。なぜブログを始めようとしたんですか?

いとぅ 以前より紙の日記を書いていましたが、大学2年の後半にmixiを始めました。そこでタイ焼きばかりの日記を書いていたら、エントリー画面の日記一覧がタイ焼きネタだけになったりして、段々キモがられてしまって(笑)。あと、せっかく書いてもマイミクさんにしか読んでもらえないのも残念なので、タイ焼きネタをブログとして独立させたんです。

 

── 「mixi疲れ」という言葉もあるように、mixiの更新だけでも面倒臭くなる人がいますよね。ブログとmixiを同時にやって、負担にはなりませんか?

いとぅ 別腹じゃないですけど、タイ焼きもmixiも別々の脳という感じで平気です。飽きっぽい性格なので、突然止めちゃうかもしれませんが。実は、私の一番の趣味は旅行で、そのブログも別に作っているんです。

 

── これだけ語れても、タイ焼きめぐりの優先順位は旅行よりも下なんですか?

いとぅ ですね。もともと就職活動の合間に始めた趣味なので。旅行は「ハレの楽しみ」、タイ焼き巡りは「ケ(褻)の楽しみ」といった感じです。

 ただ、タイ焼きに関していえば、ブログに書いていることが継続の支えになっている部分もあります。

 記事にコメントが付いたり、更新したらアクセスが上がるとか、何かしらの反応があるとやっぱり嬉しいです。ブログのおかげで、タイ焼き専門書のレビューを出版社のサイトに載せていただいたこともあって、そういうのも励みになります。

 

── ブログは至ってシンプルですよね。アフィリエイトを貼ったり、アクセス数を増やすためにSEO対策をしたりとそのあたりの工夫はしないんですか?

いとぅ 基本は自分の趣味だけのためにやっているので、ブログを宣伝したりアフィリエイトしたりしたら申し訳ないって気持ちはあります(笑)。

 SEOやテンプレートのカスタマイズにも興味がわかないですね。サイトとかブログをどうするかではなく、タイ焼きを食べ歩くこと、そしてそれを書くことが重要なんですよ。それ以外はあまり気になりません。

 

桃林堂上野店【東京タイ焼き散歩・その2】

 
桃林堂上野店

「小鯛焼」。店内で抹茶と一緒にいただくことも可能

 2軒目に訪れたのが「桃林堂上野店」。「小鯛焼」という一口サイズのタイ焼きは、皮がサクサクで薄く、あんがぎっしり詰まっている。価格は、箱入りで2個460円から。お店は東京芸大近くにあり、JRの上野駅か鴬谷駅、東京メトロ千代田線・根津駅からアクセスできる

  • 住所:東京都台東区上野桜木1-5-7
    Googleマップの地図
  • 電話:03-3828-9826
  • 営業時間:9:00-17:00
  • 定休日:年始のみ
 

(次ページに続く)

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