先日、野外フェスの一番小さなステージでDJをしてきた。
DJを始めてみた、という記事を以前アスキーで書いた。生成AIで楽曲を作り、それをrekordboxというパソコンのソフトで繋いでみたという記事だ。
今回はその後日談を書いていきたいと思う。
PioneerのDJコントローラーを買った
あの記事を書いた後、DJコントローラーを購入した。
DDJ-FLX4というPioneerのコントローラーだ。
これはPCに繋いだ状態ではじめて使えるようになるコントローラーで、音源の入ったUSBを挿せば使えるCDJ等とは異なる。
いわゆるPCDJというのができる機材だ。
購入機材をこれにした理由としては、価格がとても安い、というのがある。DDJ-FLX4は5万円以下で手に入るのだが、CDJを購入しようとなると桁が1個増える。また、サイズが小さいので、普段しまっておいてDJをやるときだけ机の上に出す、という運用ができる。CDJだとDJ用に普段から机を1つ潰さなくてはならないだろう。
この機材を買ったことで、PCのrekordboxの画面をマウスで操作していた時は触りづらかったイコライジングやエフェクトの操作が俊敏にできる可能性が出てきた。
また、当時PC画面では気付かなかった機能に色々と気付いてきた。
その中の一つが「ビートシンク」だ。前に掛けている曲と後ろに掛ける曲のBPMを自動で揃える機能である。DJをやる人からしたら当たり前に知っている機能なのだと思うが、世の中のDJにはビートシンクを使う派閥の人と使わない派閥の人がいるようで、筆者にはじめにDJを教えてくれたDJがビートシンク使わない派閥だったのだ。教わらなかったのである。
他にも「ループ」を使って曲の同じ箇所をずっと流したり、エフェクトで「エコー」を掛けたり、「フィルター」を掛けたりできるようになってきた。
ちょっとDJっぽい。
AIだけでは音圧が足りず、しょぼい音になった
その後、友達が好意で身内でDJの発表会をするイベントを開いてくれ、無事に箱デビューも果たした。
実際にクラブでDJをしてみて、諸々反省や改善点があった。
自分がやりたいDJはアニクラ(アニソンクラブ)DJをイメージしていたので、1曲を短く流してどんどん繋いでいくようにしていた。しかし前回の記事に書いたように、曲のテイストはサイケデリックトランスにしているので、サイトラ(サイケデリックトランス)としては踊りにくいサウンドになってしまった。
また、今回は「塩で味わって欲しい」と思っていたので、生成AIで出力した曲をそのまま変えずに、なるべくエフェクトも掛けずに流していた。
しかしどうやら生成AIで出力しただけでは音圧が足らないようで、しょぼい音になってしまった。
そこで、まず今回は、生成AIで出力したものをDAWで切り貼りして1曲の長さを長くして、マスタリングで音圧をあげることにした。
1曲の長さを長くするのは、1曲で長く踊れるようにするため。マスタリングで音圧を上げるのはなるべくいい音を鳴らすためだ。
使用したDAWはCubaseである。
ChatGPTに聞きながらマスタリング
まずは、1曲の中で繰り返しても不自然ではないところを切り貼りして曲を長くしていく。
頑張れば5分の曲を8分くらいにはできるようだ。筆者の力量ではそれ以上長くすると飽きる曲になってしまった。
なるべく、踊れるようなパートを長くするよう意識した。
次に、マスタリングである。
マスタリングとは、音質や音量や音圧を整える作業だ。今回は、生成AI(Suno)で生成した音を、もっと踊れるいい音に整えていく。ミックスがパラデータにエフェクトをかけていく作業なのに対し、マスタリングは1つにまとまったデータを整えていく感じだ。
というか、これがとても難しい。プロの方でないと、まず用語が何言ってるかわからないし、何をしたらいいかわからない。
筆者は、たまにポッドキャストのマスタリングをしたりするのだが、「Ozone」というAIがマスタリングしてくれるソフトに任せきりだ。
完成した音をOzoneに聞かせると自動でマスタリングをしてくれる機能があるのだ。
しかし、それだけでは今回の目的である「いい音で踊らせる」には到達しないのはわかっていた。OzoneのAIマスタリング機能は最低限のマスタリングはしてくれるが、「いい音」にはならないのである。
そこで、同じAIでも会話が成立するAIであるChatGPTにマスタリングを手伝ってもらうことにした。
やり方は簡単である。
ChatGPTには直接WAVデータを流し込める。まずは、Ozoneで自動でマスタリングしたWAVデータをChatGPTに聞かせ、アドバイスをもらうことにした。
使っているソフトをChatGPTに教えたところ「この設定にするといいよ!」というのを色々教えてくれた。
満足のいくEQができた
ChatGPTに教わった設定をOzoneに流し込むと、確かに音が変わった!音楽のジャンルやリファレンスのDJ、こういう場所でこう聞かせる音にしたい、というのもChatGPTに伝えることができるので、対話のできないOzoneのAI機能よりは格段にやりやすい。
特にEQに関しては、筆者の「こういう音にしたい」という思いをChatGPTが汲み取ってくれて細かく設定をすることができた。
他には、キックの低音が左右に広がらないようにモノにしたりとサイトラのセオリーでやるべきことを教えてくれた。
「いい音になった!」と実感できる瞬間はとても心地よい。
野外でDJをすることもChatGPTに伝えたが、マスタリングは箱向けの音にして、野外向けの音の調整はDJ機材のイコライジングでやることにした。
DJとして少しは進化した?
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
- 第346回 「そこそこ稼ぐおじさん」でいいのか? 迷ったあなたへ
- 第345回 順調なのに不安 その違和感、実は“次のサイン”です
- 第343回 メディアアート再燃?「TOKYO PROTOTYPE」に人が殺到した理由
- 第342回 休職中の同僚を「ずるい」と思ってしまうあなたへ
- 第341回 3Dモデルを必死にリギングした結果、「AIが優秀すぎる」ことに気づいた
- 第340回 VRChatでロボットになりたい筆者、最終的にBlenderを選んだ理由
- 第339回 復職が不安なあなたへ。“戻らない復職”を私が選んだ理由
- 第338回 DJをやってみようと思い立った
- 第337回 「子どもを預けて働く罪悪感が消えない」働く母親の悩みに答えます
- この連載の一覧へ































