ASCII Power Review 第311回
14型2.8KのPOLEDで1kg切り「CoreUltraシリーズ3」採用の次世代モバイルノート「Yoga Slim 7i Ultra Gen 11 Aura Edition」実機レビュー
2026年03月25日 00時01分更新
レノボの「Yoga Slim 7i Ultra Gen 11 Aura Edition(14型 Intel)」は、タッチ対応の14型2.8KOLEDディスプレーと大容量75Whバッテリーを搭載しつつ、約970gの軽量ボディーを実現。Copilot+ PCの要件をクリアーする最大49TOPSのNPUを内蔵するプロセッサーを採用しており、AIアプリを高速かつ省電力で実行可能だ。
高画質ディスプレー、強力なAI処理能力、そしてスタミナ性能を両立した本製品の試用機をレノボから借りたので、使い勝手、パフォーマンスをじっくりとチェックしていこう。
4K動画編集でもカスタム不要の
充実スペックを標準装備
「Lenovo Yoga Slim 7i Ultra Gen 11 Aura Edition(14型 Intel)」(以下、Yoga Slim 7i Ultra)は、OSに「Windows 11 Home 64ビット」、プロセッサーに「インテル Core Ultra 7 プロセッサー 355」で8コア[4P+4LPE]、8スレッド、最大4.7GHz、25W[12~55W]、Intel Graphics、49TOPS NPUを採用。メモリーは32GB(LPDDR5x-7467、オンボード)、ストレージは1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。
ディスプレーは14型2.8K POLED(プラスチックOLED)の2880×1800ドット、243ppi、16:10、120Hz、輝度500ニト/ピーク輝度1100ニト、HDR対応、10点マルチタッチ対応、光沢を搭載。
ディスプレー上部には約500万画素ウェブカメラ(Windows Hello顔認証対応IRカメラ、プライバシーシャッター付き)、クアッドアレイマイク×4を内蔵。スピーカーはキーボード左右の特等席に、2Wツイーター×2、2Wウーファー×2を装備している。
インターフェースはThunderbolt 4(USB Power Delivery、DP Alt Mode)×3を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしている。
本体サイズは約312.6×213.8×13.9mm(最薄部)、重量は約975g。75Whのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は動画再生時で約22.8時間、アイドル時で約24.8時間と謳われている。
本製品はメモリーがオンボード搭載されており、増設、換装はできない。とはいえ、標準で32GBを搭載しているので、4K動画編集などのクリエイティブ系作業をこなせるだけの容量が確保されている。一般ユーザーであれば、カスタムする必要のないスペックを備えている。
ディスプレーは14型2.8K POLED(プラスチックOLED)。プラスチックOLEDはその名のとおり、柔軟なプラスチック素材を使用した有機ELディスプレー。ガラスよりも軽く、薄く、弾力性により割れにくいという特徴を持つ
Core Ultra Series 3で
NPUのピーク性能が49TOPSへと向上
本製品の使い勝手における売りのひとつは、AI PC「Copilot+ PC」であることだ。これにより、マイクロソフトの最新AIツールを利用できるほか、サードパーティー製アプリのAI機能を高速かつ高効率に活用できる。
また、本製品が搭載するプロセッサー「Core Ultra 7 355」は、NPUのピーク性能(INT8)が前世代「Core Ultra 7 258V」の47TOPSから49TOPSへと向上した。わずかな差ではあるが、インテルが現代のプロセッサーにおいて、よりNPU性能を重視していることの表われだ。
キーボードは84キーの日本語配列で、キーピッチは実測19.2mm、キーストロークは実測1.6mmを確保している。バックライトは2段階の輝度調整が可能だ。
手前が丸みを帯びたキートップの形状はThinkPadシリーズ譲りで、打鍵感は良好、打鍵音も静かに抑えられている。タッチパッドは実測120×75mmのサイズが確保されており、クリック感を振動で伝える感圧式を採用。
英語配列用のキーボードパネルを流用しているため、一部のキーが隣接しているものの、Enterキーが大きく確保されている。慣れればフルスピードでのタイピングが可能な、快適なキーボードに仕上がっている。
14型2.8K POLEDディスプレーは、標準輝度500ニト、ピーク輝度1100ニトでHDR対応。クリエイティブワークに活用できる階調表現を備えつつ、リフレッシュレートも最大120Hzとゲーミング用途にももってこいだ。
さらに10点マルチタッチに対応しており、ペンや指先で直感的にイラストを描いたり、書類へ注釈を入れたりできる。高画質とタッチ機能による快適な操作性を両立した、汎用性の高いディスプレーに仕上がっている。
ディスプレー上部には、約500万画素のウェブカメラを配置している。Windows Helloの顔認証に対応したIRカメラは、RGBカメラとセンサーを共有するハイブリッドタイプだ。
しかし、解像感の高さやノイズの少なさはハイブリッドタイプとは思えない品質で、発色も不自然な青白さや赤みがない。画像処理エンジンによる補正が優秀なのだと思われる。
なお、プライバシーシャッターは電子式を採用。レンズ部を物理的なカバーが覆うことはないが、本体側面の物理スイッチでシャッターを有効(カメラをオフ)にするとインジケーターが消灯するため、動作状況を視覚的に判断できる。OSから独立したハードウェア制御で映像信号を遮断しているためハッキングの恐れは限りなく低いが、心理的に気になる方はテープなどを貼って対策してもいいだろう。
GPU性能は前世代より控えめだが
NPU性能とCPUパワーを向上
最後にパフォーマンスをチェックする。今回は比較対象としては、Core Ultra 7 258V/32GBメモリー/1TBストレージ(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載する「Zenbook S14」(UX5406SA)をもってきてみた。
まずCPU性能だが、CPUベンチマーク「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は653pts、CPU(Single Core)は119pts、「CINEBENCH 2026」のCPU(Multiple Threads)は2654pts、CPU(Single Thread)は485ptsを記録した。
Yoga Slim 7i UltraはZenbook S14に対して、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は約109%相当、CPU(Single Core)は約103%相当のスコアを記録している。
PCメーカーが異なるので両機種がプロセッサーの最大パフォーマンスを引き出しているのかどうかは不明だが、少なくともCPU性能が向上していることは間違いなさそうだ。
CPUベンチマーク「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は653pts、CPU(Single Core)は119pts、「CINEBENCH 2026」のCPU(Multiple Threads)は2654pts、CPU(Single Thread)は485pts
一方、3Dグラフィックス性能は、3Dベンチマーク「3DMark」のPort Royalは1444、Time Spyは3225、Fire Strikeは6275、Wild Lifeは21174をマーク。
「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは12972(とても快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは3527(普通)となった。
こちらは結果が逆転しており、Yoga Slim 7i UltraはZenbook S14に対して、「3DMark」は平均77%相当、「ファイナルファンタジーXIV」は94%相当、「FINAL FANTASY XV」は82%相当に留まっている。
内蔵グラフィックスは、Core Ultra 7 355が「Intel Graphics」(GPUピークTOPS:40、Xe-core:4)、Core Ultra 7 258Vが「Intel Arc 140V GPU」(GPUピークTOPS:64、Xe-core:8)と後者のほうが性能は高い。グラフィックス性能を重視するなら、Core Ultra 7 258V搭載機のほうが有利ということになる。
「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは12972(とても快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは3527(普通)。
ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「SKHynix_HFS001TEM4X182N」を搭載しており、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6598MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5774MB/sとなった。
本機に採用されているのは、2022年に登場した実績のある高性能ストレージだ。PCIe Gen4 x4接続SSDとして十分な速度を備えており、OSやアプリの軽快な操作感を下支えしてくれると言えるだろう。
ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「SKHynix_HFS001TEM4X182N」を搭載。ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6598MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5774MB/s
AI性能の指標となる「UL Procyon」の AI Computer Vision Benchmarkでは、NPUを使用したfloat16(半精度浮動小数点演算)で1129、Integer(整数演算)で2113というスコアを記録した。本機が搭載するCore Ultra 7 355は、NPUのピーク性能が前世代のCore Ultra 7 258Vの47TOPSから49TOPSへと向上している。ベンチマークの結果からも、Copilot+ PCとして上位クラスのAI処理性能を備えていることは間違いない。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度、ボリューム40%でYouTube動画を2時間連続再生したところ、100%から86%に減っていた。つまり、単純計算で、0%までの総駆動時間は約14時間17分となる。
1kg切りの軽量ノートPCながら、1日の外出ならACアダプターなしで活用できるだけのモバイル性能を備えている。

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