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週替わりギークス 第338回

DJをやってみようと思い立った

2026年01月24日 07時00分更新

文● きゅんくん

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 DJをやってみようと思い立った。

DJって空間デザイナーなんじゃないか?

 筆者はたまにクラブイベントに行く。2025年は自分でクラブイベントを主催したのもあって、色んなイベントでリサーチを兼ねて遊ぼうと決めていた。

 近年色々なイベントで様々なDJのプレイをみるにつれ、DJへの尊敬の念が強くなった。

 DJって、音楽を繋げて流してるだけではないんだなと気付いた。

 DJのフロアの支配力はやばい。

 以前、とあるDJを聞きに行ったイベントで、驚くべきことがあった。他のDJの時はフロアの天井が低くて窮屈に思っていたのだが、目当てのDJに変わった途端に天井が2mくらい高くなったように感じたのだ。音の聴かせ方で空間の感じ方を変えることができる。

 DJって空間デザイナーなんじゃないか?

 まあそんなめちゃくちゃすごい方のようなことはできないが、DJがどんなふうにどんなことをやっているのか知りたいなと思ったのと、DJができるようになったら楽しそうだなと思ったのだ。

 クラブイベントを主催する身としてDJへの解像度を上げたいし。イベントへの、客、オーガナイザー以外の参加の仕方ができるかもしれないし。

好きなメロディをAIアレンジしてDJに

 DJをやるにあたっては、どんな曲を選曲するかが重要だ。

 そこで近年、友人の落合陽一さんがAIで生成した曲を使ってDJをしているのを思い出した。

落合陽一さんの万博カナダ館でのDJ

 最近自分も、AIで曲を生成してその場で自分で踊る、音楽の「自炊」にハマっていた。

 そこで、自分の好きなメロディをAIでアレンジし、それでできた曲を流すDJをやることにした。

 ちなみに落合さんには、「AI生成の曲でDJするの真似します!(意訳)」と連絡して許可を取った。(笑)

 (落合さんからは「業界を盛り上げましょう!」と言われた。)

 ジャンルは、チャレンジとして「トランス」にしてみることにした。

 トランスはハウスから派生したEDMの一種で、125~145BPM付近で短いシンセサイザーの旋律を際限なく繰り返す、うねるようなサウンドが特徴のジャンルだ。反復されるリズムやメロディーが、さも脳内の感覚が幻覚や催眠を催す「トランス状態」に誘うかのようであることからトランスと呼ばれている。(Wikipediaより)

 わかりやすい特徴的なジャンルにしてみたいなあと思ったのと、聴いていて自分が楽しいジャンルにしたかったからだ。

AI「Suno」で楽曲を生成する

 まずは、SunoというAIを使って、DJで流す楽曲を生成していく。

 Sunoには、マイクで録音したメロディから曲を生成する機能がある。

 最長8分の録音ができるのだが、1分以内の短いメロディの録音からでもフル尺(5分程度)の音楽の生成が可能だ。

 もちろんその場で録音しなくても、事前に録音、制作した音源もリファレンスとして使うことができる。

メロディを録音してリファレンスにできる

 今回はインストゥルメンタルの楽曲を生成するが、歌詞入りの曲を歌って録音して、歌詞を歌詞欄に記入することで、意図した歌詞とメロディの歌を生成することも可能だ。普段そういう使い方もしている。意外と楽曲生成AIはカスタマイズ性が高い。

歌詞とスタイルを記入することができる

 今回は歌詞の欄は空欄にして、スタイルの欄だけを埋めていく。楽曲のジャンルを細かく入れることでクオリティがアップする。しばらくやってみての感想としては、ジャンルだけでなく、国名を記入するといい感じになる感覚がある。いつの時代のどこの国のどのジャンルなのかを細かく設定してあげるイメージだ。

 大量に気力の続く限り曲を生成して、一番いいなと思ったものをダウンロードしていく。Sunoは、有料プランのみWAV形式でのダウンロードができる。無料プランではmp3形式でのダウンロードしかできない。mp3でDJはしたくないので、有料プランは必須だ。クラブの大きいスピーカーで聴くなら良い音で聴きたい。

 ちなみに筆者は、月々で支払おうと思っていたのに先日間違えてSunoの年間プランで課金をしてしまった。もう大量に生成しまくるしかない。

生成した楽曲の一例。自分のオリジナル曲をトランスアレンジしている。

 ダウンロードした曲がある程度溜まったら、実際にDJをしてみていく。

DJソフトには「rekordbox」を使う

 今回、11曲生成したのだが、最終的に45分のミックスになった。ミックスというのは、曲を繋いだのを録音した長い1本の音源のことだ。

 最初は60分ほどのミックスを作ろうと思っていたのだが、力尽きて短めのミックスにしてしまった。

 1曲5分ほどのうち4分ほど流せるとしても、60分のミックスには15曲が必要だ。カツカツでキッチリ流せるわけでもないし、流れとして使えない曲もでてきたりするので20曲くらいは生成しておくと良いのかもしれない。

 DJをするのには、「rekordbox」というソフトウェアを使用した。

 「rekordbox」はDJプレイのための楽曲管理ソフトウェアで、自宅のパソコンでキューを打つなど管理した楽曲を、CDJなどのDJ機器上に反映することができ、DJプレイがめちゃめちゃやりやすくなる、ということのようだ。

 価格はサブスクリプションシステムになっており、無料プランから月額約3960円のプロフェッショナルプランまで選べるようになっている。今回は無料プランで使ってみることにした。

rekordboxの画面

 本来はDJ機器でDJをしたいのだが、高価なのもあってあいにくまだ持っていない。(下の写真のものは27万5000円するらしい。まずどの機材がいいのかもよくわかっていない。)

 そこで、今回はまずパソコン上でrekordboxだけで曲を繋いでみて、DJ機器でのDJプレイは基本ができるようになってからの課題として置いておくことにした。

 本来ならCDJのつまみをいじって細かくEQなどの調整をしたいところだが、パソコンをマウスでクリックする以上、複雑なことはできそうにない。

 まず今回はDJの基本操作を学ぶだけになりそうだ。

DJ機器の一例(パイオニアWEBサイトより)

生成した11曲をつないでみる

 とりあえず、生成した11曲の楽曲をBPM順に並べてみた。

 遅いBPMから速いBPMにだんだん変えていくとテンションが上がっていくのでいい感じと聞いたからである。

 前の曲から次の曲へいい感じに繋ぐにはどうしたらいいのだろうか。

 まずは、2曲のBPMを調整して同じBPMにするのが必要そうである。

 幸運なことにトランスには、キックのないアンビエントな箇所がある場合があるので、そこを重ねて自然に繋ぐことができそうだ。

 調べたところによると、EQのつまみをいじって、音は2曲重なっているが低音のキックは1曲だけ鳴っている、とか調整するらしい。

 今の筆者には音楽を順番に重ねて流すことしかできない……。

 気になったのは、曲のキーである。

 曲が切り替わるときに、コード進行として気持ち悪いコードの動きをしていると、変な感じに聞こえるのではないだろうか。

 筆者は音楽理論がちゃんとわかるわけではないが、気持ちいいコード進行、気持ちの悪いコード進行はある。

 もちろんあえて気持ちの悪いコードの動きをすることもあるだろうが、「この曲かけたい!」というときにキーが合わないときはどうするのだろう。

 今回は、インストゥルメンタル楽曲なので、移調の機能を使ってキーを変えて対策してみた。

 ボーカルありの楽曲だとそうはいかないと思うのでDJ陣のテクニックが知りたいところである。

人の気持ちがわからないとDJは難しい

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