ASCII Power Review 第304回
AMD Ryzen AIで速度も最高でした
12月発売なのに超お買い得なCopilot+PC合格の最新AI内蔵オールインワンPC「ExpertCenter P600 AiO」実機レビュー
2025年12月29日 00時30分更新
ASUSは、同社初のCopilot+ PC対応オールインワンPC「ASUS ExpertCenter P600 AiO (PM640KA)」を発売した。
本製品はASUS Store限定商品であり、本稿執筆時点でAMD Ryzen AI 7 350/ メモリー32GB/ ストレージ1TBという充実した構成で、オフィスなしが17万9800円、Microsoft Office付きで19万9800円というお値段だ。
メモリー価格高騰のなか、32GBメモリーを搭載していて18万円切りというのはとてもリーズナブルだ。現在の情勢では価格改定が行なわれる可能性があるので、もし購入するのであれば今回のレビューを参考に早めの決断をお勧めする。
AMDのAI対応ノートPC用
上位プロセッサーを搭載
「ASUS ExpertCenter P600 AiO (PM640KA)」はASUS初の Copilot+ PC対応のオールインワンPCだ。
OSに「Windows 11 Home 64ビット」、プロセッサーに「AMD Ryzen AI 7 350」(8コア、16スレッド、最大5GHz、28W[15~54W])を採用。
メモリーは32GB(DDR5、最大 64GB)、ストレージは1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。AMD Ryzen AI 7 350は最大50TOPSのNPUを内蔵しているので、本製品はCopilot+ PCの要件を満たしているというわけだ。
ディスプレーは 23.8型フルHD液晶で1920×1080ドット、ノングレア、タッチ対応を採用。スタンドはチルト、スイーベル、昇降調整対応。ディスプレー上部にはポップアップ式の503万画素ウェブカメラ(Windows Hello対応赤外線カメラ)、アレイマイクを内蔵する。また背面にはVESAマウントが用意されており、モニターアームや壁掛け設置も可能だ。
インターフェースはUSB 3.2 Gen1 Type-C(データ転送対応、映像出力・給電非対応)×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、USB2.0×1、HDMI 2.1b出力×1、HDMI入力×1、有線LAN(1000BASE-T)×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。ワイヤレス通信は、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしている。
背面下部には、USB 3.2 Gen1 Type-C(データ転送対応、映像出力・給電非対応)、有線LAN(1000BASE-T)、電源端子、HDMI入力、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、HDMI 2.1b出力を用意
本体サイズは541×552×267mm、重量は約9kg。電源は外付けの120W ACアダプターを使用する。デスクトップPCを長期間使用した場合、電源は劣化しやすいパーツのひとつだ。
万が一、電源が故障した場合でも、オールインワンPC本体を手元に置いたまま、ACアダプターだけを交換すれば済むという手軽さは長期間運用時の大きなメリットだ。
オールインワンなのに画面が回転でタッチ対応
ポップ式カメラに付属キーボードも◎
「ExpertCenter P600 AiO」はオールインワンPCでありながら、ディスプレーの活用範囲が広い。まず解像度自体は1920×1080ドットと決して高くはないが、視野角の広い液晶パネルが採用されており、斜めの角度からでも明るく、自然な発色で映像を確認できる。
またチルト、スイーベル、高さ調整はもちろんのこと、本体を右方向に回転させて縦表示も可能だ。オールインワンPCでここまで設置の自由度が高いのは珍しい。
さらにディスプレーはタッチ操作に対応しており、イラストやメモを書くのに利用できる。書類などに手軽に署名や注釈を入れられるのは本当に便利だ。
本製品の嬉しい装備が、ポップアップ式の503万画素ウェブカメラ(Windows Hello対応赤外線カメラ)だ。収納しておけばカメラのレンズを物理的にふさげるし、見た目もスッキリする。
カメラを出しておけば、スリープ解除時にディスプレーに目を向けるだけでロック解除可能だ。またベゼルが非常に狭いのも、このポップアップ式カメラの恩恵である。
付属するワイヤレスキーボードは日本語配列でキーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測2.2mm前後だ。
樹脂製ボディーはやや軽めの印象だが、クリック感自体はしっかりと存在する。またワイヤレスキーボードの左右ボタンの感触も小気味いい。
高価なキーボード、マウスのような重厚感はないが、オールインワンPCに同梱される入力デバイスとしては十分なクオリティーが確保されていると言える。
Ryzen AIでCPU、GPUは高速
AI処理能力にストレージも万全だ
最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回の貸出機のスペックは、AMD Ryzen AI 7 350、メモリー32GB、ストレージ1TB。ベンチマーク実施前には、「MyASUS」のファンモードを「パフォーマンスモード」に設定して実施している。
まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は16681pts、CPU(Single Core)は1959pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は937pts、CPU(Single Core)は115ptsとなった。
「AMD Ryzen AI 7 350」は、8コア、16スレッド、最大5GHz、28W[15~54W]動作のプロセッサーだ。R23のマルチコアは1.6万を大きく超えており、クリエイティブ系アプリケーションを快適に動作させられる処理性能を備えていることがわかる。4K動画の編集、書き出しであっても、パフォーマンス不足を感じる場面は少ないはずだ。
「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は16681pts、CPU(Single Core)は1959pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は937pts、CPU(Single Core)は115pts
3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のPort Royalは1344、Time Spyは3115、Fire Strikeは6614、Wild Lifeは17951だった。
また、「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは9628(快適)、フレームレートは平均67.19fps/最低30fps、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは3639(普通)となった。
ファイナルファンタジーXIVなどの中~軽量級ゲームであれば快適に、最新AAAタイトルであっても画質設定を調整すれば、実用的な速度でプレイできるだけの3Dグラフィックス性能を備えている。
「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは9628(快適)、フレームレートは平均67.19fps/最低30fps、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは3639(普通)
特筆すべきはAI処理能力だ。最大50TOPSのNPUを搭載しているだけに、「Procyon」のAIベンチマーク「AI Computer Vision Benchmark」のintegerは1958を記録した。
このスコアはCopilot+ PCの要件である40TOPS以上のNPUを搭載していることを裏付ける結果だ。Copilot+ PCのオンデバイスAI機能を快適にこなせるAI処理能力を備えている。
ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「FORESEE FSB0C001T-N2A9200」を搭載しており、「CrystalDiskMark 9」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は7110MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4933MB/sを記録した。このストレージ速度はPCIe Gen4 x4接続SSDとして上位クラスで、プロセッサーの高い性能を、このSSDは底支えしてくれるはずだ。

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